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JRA京都記念(G2)レッドジェネシス「順調」報道を一刀両断!? 「あまり高い評価はできない」3歳新馬と“互角”に留まった実力馬のジャッジに温度差

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JRA京都記念(G2)レッドジェネシス「順調」報道を一刀両断!? 「あまり高い評価はできない」3歳新馬と互角に留まった実力馬のジャッジに温度差の画像1
藤岡康太騎手

「反応もいいし、動ける態勢は整っていますよ」

 13日に阪神競馬場で開催される京都記念(G2)に向けた最終追い切りで、藤岡康太騎手の声が弾んだ。騎乗するレッドジェネシス(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)はハイレベルと称される明け4歳牡馬でも、トップクラスに挙げられる1頭だ。

 昨年は皐月賞馬のエフフォーリアが、天皇賞・秋(G1)や有馬記念(G1)を勝利して年度代表馬に。ダービー馬のシャフリヤールがジャパンC(G1)で3着、菊花賞馬のタイトルホルダーも有馬記念で5着するなど、大きな存在感を示した明け4歳世代。

 また、クラシックホースだけでなく、1月の日経新春杯(G2)ではヨーホーレイクとステラヴェローチェがワン・ツーゴールと世代のレベルの高さを証明。同じ4歳牡馬のレッドジェネシスもここで重賞2勝目を挙げ、春のG1戦線に大きく名乗りを上げたいところだろう。

 舞台となる芝2200mは、京都新聞杯(G2)で重賞初制覇を飾った得意の距離。だが、それ以上に昨秋の神戸新聞杯(G2)で不良馬場をモノともせずダービー馬シャフリヤールに先着し、ステラヴェローチェに迫った走り(2着)は、この馬の評価を一気に高めるものだった。

 当時の走りが再現できれば、今回のメンバーなら快勝してもまったくおかしくはない。昨年10月の菊花賞(G1)以来のレースとなるが「仕上がりは良い」との報道もあり、神戸新聞杯以来のコンビとなる藤岡康騎手にしても、力が入って当然の一戦だろう。

 だが、そんなレッドジェネシスに“辛口”評価を下す男がいる。競馬評論家の井内利彰氏だ。

「やはり調教としてはあまり高い評価はできません」

「調教捜査官」の異名を持つ井内氏は、追い切りを重視して予想を組み立てる、いわゆる「調教派」のスペシャリストである。上記のように語った『netkeiba.com』の連載コラム『調教Gメン研究所』や『競馬予想TV!』(フジテレビ系)のレギュラーとしてもお馴染みで、競馬ファンの間でも高い人気を得ている存在だ。

 そんな井内氏だが、今週末の京都記念に出走するレッドジェネシスには一抹の不安を感じているようで、1週前追い切りでは「少し反応の鈍いところがありました」と話し、最終追い切りでも「新馬相手にこれまた苦戦した動き」と厳しいジャッジを下している。

 これまでも、どれだけの人気馬であろうが「ダメなものはダメ」と客観的な姿勢を崩さなかった井内氏だけに、レッドジェネシスに期待をかけるファンとしても気になるところだ。

「あまり大きな声では言えませんが正直、今回のレッドジェネシスについては井内さんの見解に同意したいですね。ご本人も『調教量としては十分』と評価されているものの、1月の後半から栗東のCWで追い切られている本馬ですが、やはり『良化はスロー』と言わざるを得ません。

特に最終追い切りでは、まだデビューしていない3歳馬チェリーオントップを追いかける形だったものの併入に持ち込むのがやっと……。あまり追い切りで動くタイプではありませんが、それでも物足りない印象でした。

ただ、その一方でレッドジェネシスは、今年の京都記念のメンバーの中でも期待が高い1頭です。このレースに限った話ではありませんが、マスコミの記者は基本的に関係者がはっきりと言わない限り、人気馬にダメ出しすることはなかなか容易ではないんですよね……。

今回も“あの内容”で『仕上がり順調』とか『良い』とか書かれてる紙面も見ましたが、正直『本当に良いと思ってるのかな?』とは思ってしまいます。藤岡康騎手も『休み明けという感じもある』と話していたんですけどね」(競馬記者)

 確かに、冷静にレッドジェネシスの現状を鑑みれば、例えば日経新春杯を勝利したヨーホーレイクとは異なり、すでにG2勝ち馬である以上、今回で賞金を加算しなければならない理由はあまりない。

 目標は春の大阪杯(G1)辺りになるだろうし、ここは一叩きと考えるのが妥当か。井内氏の評価も然ることながら、記者が話す「良化はスロー」という言葉にも頷ける。

 無論、仮にレッドジェネシスの状態が100%でなくとも、ここで好勝負を演じる可能性はある。ましてや、明日は雨もしくは雪が降る予報。不良馬場の神戸新聞杯での力強い走りを見れば、重い馬場が追い風になる可能性も高いだろう。

「乗るたびに反応が良くなっている感じ」と話す藤岡康騎手は、8日の佐賀記念(G3)で今年の“重賞初勝利”を飾ったばかりと勢いに乗る。果たして、このまま重賞連勝となるか、それとも井内氏の不安が的中してしまうのか。ハイレベルなエフフォーリア世代の一角を担う実力馬の走りに注目したい。

(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

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