
JRA ノーザンファーム系「お気に入り」G3にダービートライアル化が加速、皐月賞(G1)を回避してまで有力候補を送り込む伝統重賞の魅力とは

3月に替わって、3歳馬によるクラシックへ向けたバトルが続々と増えてきている。今週末は桜花賞(G1)トライアルのチューリップ賞(G2)、皐月賞(G1)トライアルの弥生賞ディープインパクト記念(G2)が行われ、来週以降もクラシックトライアルが順次開催される。
そんななか、昨年末のホープフルS(G1)で1番人気に推されたコマンドラインが、毎日杯(G3)で始動することが分かった。
毎日杯は、3月下旬に阪神芝1800mで行われる3歳馬限定の重賞だ。古くは勝ち馬にハードバージ、ハシハーミツトら後のクラシック優勝馬を輩出したレースだが、1987年に施行時期が3月上旬から下旬に替わって一転。皐月賞やNHKマイルC(G1)を狙う馬によるステップレースとしての意味合いが強くなってきた。
「施行時期が3月下旬になってからテイエムオペラオーやアルアインなどの皐月賞馬も輩出してきました。ただ皐月賞より、キングカメハメハやディープスカイ、ダノンシャンティなどNHKマイルCを勝った馬の方が多いですね。
毎日杯の舞台は阪神競馬場の外回りコースで直線の長さも約470mと比較的長く、直線に急坂があるため差し馬が基本有利です。左回り、右回りの違いや距離を除くと、NHKマイルCが行われる東京芝1600mとコース形態が似ています。
また、NHKマイルCまで1ヶ月以上間隔を空けられるローテーションも、前哨戦としてはもってこいですね」(競馬誌ライター)
一方で、毎日杯はトライアル競走に設定されていないため、勝利してもNHKマイルCなどの優先出走権は与えられないものの、有力馬を抱える陣営からコースや施行時期が好まれているのだろう。
しかし、そんな毎日杯に近年“ある”変化が見られているという。主にノーザンファーム系列の馬が、日本ダービー(G1)に向けた前哨戦として毎日杯を使うことが増えてきたのだ。
■ノーザンファーム系列の馬が毎日杯を好むワケとは
昨年のダービー馬シャフリヤールをはじめ、4着のグレートマジシャンはダービー前に毎日杯を使われての出走。さらに、2018年のブラストワンピースも皐月賞回避を表明した上で、毎日杯を使って賞金を上積みし、ダービーに直行している。
そして、今年もセントポーリア賞(1勝クラス)を快勝し、クラシック有力候補の呼び声高いドゥラドーレスやコマンドラインが毎日杯に参戦を予定していることから、青葉賞(G2)などダービーの前哨戦より、近年は実質ダービートライアルに近いのが実情だ。
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