
JRA武豊「後方待機」連発にファンから不満も…日本ダービー(G1)ドウデュースの選択はキズナの再現が濃厚?
先週行われたオークス(G1)は、桜花賞馬スターズオンアースが勝利。デアリングタクト以来となる牝馬三冠に王手をかける快勝だった。
一方、同レースで桜花賞(G1)2着からの巻き返しを図った武豊騎手とウォーターナビレラは13着と大敗した。ゲート内で若干バタついた時にスタートが切られる不運があったとはいえ、2番手で進んだ桜花賞とは打って変わって中団後方からのレース。直線で伸びることもなく、最後まで見せ場なしのまま終わってしまった。
近年、武騎手はG1などで後方待機策での騎乗ぶりが目立っている。昨年と今年のG1で、4コーナーを2桁順位で通過したのは26レース中、半分以上となる14レース。その14レースで連対はゼロ、馬券圏内に来たのは皐月賞(G1)でのドウデュースのみとなっている。
勿論、作戦として意図して後方に位置している場合もあれば、NHKマイルC(G1)のジャングロのような予期せぬ出遅れで後方から進めざるを得ない場合もある。そういった事情はファンも承知してはいるものの、どこか消極的にも映る位置取りに一部のファンからは「またか」「ディープインパクトに乗っているつもりか」といった不満も漏れ始めた。

今週の日本ダービー(G1)では、皐月賞3着のドウデュースに騎乗。このときは1番人気に支持されるが、これまでの好位からの競馬から一転して道中15番手の後方待機策を採った。最後は鋭い伸びを見せたが、レース後には武騎手自身も位置取りが後ろ過ぎたと振り返る程で、勝ち負けという点では4角の時点で勝負ありだった。
ドウデュースの選択はキズナの再現が濃厚?
日本ダービーでは再度上位人気となる事が予想されるが、最近の武騎手の騎乗ぶりからは不安を感じるファンもいるだろう。
ただ、同じように後方待機策から栄光を掴んだキズナとのコンビで日本ダービーを制した実績がある点は心強い。
同馬はドウデュースと同じように、弥生賞(G2)では中団を進んだが、日本ダービーの前走となる京都新聞杯(G2)では突如、最後方からレースを進める大胆な位置取りでレースを進めた。そして本番の日本ダービーでも前走同様に後方待機策から直線では鋭い末脚を披露し、見事に自身5度目となる日本ダービーを制した。
また、前走4コーナーを2桁順位で走った馬では、キズナの他にもマカヒキやレイデオロが日本ダービーで勝利を飾っている。直線の短い中山競馬場で行われる皐月賞と比べて、直線の長い東京競馬場で行われる日本ダービーでは、極端な位置取りでも追い込みが届くケースがあり、そういう意味ではドウデュースにもチャンスありと言えそうだ。
皐月賞後には、ドウデュースを管理し、またワグネリアンとマカヒキで日本ダービーを制している友道康夫調教師が、皐月賞では1番強い競馬をした、とその走りを高く評価している。ダービー5勝のレジェンド武騎手が、キズナの再現で汚名返上の末脚炸裂なるか、その騎乗ぶりに期待したい。
(文=椎名佳祐)
<著者プロフィール>
ディープインパクトの菊花賞を現地観戦し競馬にのめり込む。馬券はアドマイヤジャパン単勝勝負で直線は卒倒した。平日は地方、週末は中央競馬と競馬漬けの日々を送る。
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