
JRAイクイノックスは「10番目」の地雷!? C.ルメール泥沼29連敗から脱出も…ダービーで追い風吹くのは「失態続き」の武豊

先週末のオークス(G1)を制したのは、桜花賞(G1)に続く二冠を達成したスターズオンアース。7番人気で桜の女王となったこともあってか、3番人気での戴冠だった。8枠18番の大外枠ながら、道中のロスを最小限に留めたC.ルメール騎手の見事なエスコートも光る勝利だったといえる。
1番人気に支持されたのは、外の馬が伸びない馬場だった桜花賞で8枠16番という不運に見舞われたサークルオブライフ。桜花賞では無理に出していかず、後方待機策を選択したM.デムーロ騎手の好判断もあったが、0秒1差の惜敗。4枠8番から戴冠したスターズオンアースとは、枠順の差が大きかった。
これに対し、オークスで3枠6番の好枠を引けたサークルオブライフと、8枠18番のスターズオンアースは、桜花賞と真逆といえる枠。今度こそ勝利の女神が微笑むかに思われたが、スタートで出遅れる致命的なロスも響いて9着に大敗してしまった。
レース後、デムーロ騎手が「ゲートの中でイライラしていました」と振り返ったように、サウンドビバーチェの放馬によるアクシデントでレースを待たされたことも、サークルオブライフの集中力を切らしてしまったのかもしれない。
これには元JRA騎手の安藤勝己氏も「オークスは大観衆かつ放馬でスタート待たされた影響で、集中力切れた馬が多かった。あの展開なんて際たるもん。スターズオンアースは人馬で精神力が強かったってことやろね」と、自身のTwitterで指摘していた。
ただ、やはり気になるのは、今年のG1で1番人気に支持された馬が未勝利という目を逸らせない事実だ。重賞レースまで広げても、2月の小倉大賞典(G3)のアリーヴォがストップさせるまで18連敗。2022年は新年早々から1番人気馬受難の雰囲気が漂っていた。
開幕戦のフェブラリーSからオークスまで含む9連敗。これは1984年にグレード制が導入されてから過去にない不振であり、7連敗目となったNHKマイルCから更新を続けている。
レースにおける出走馬の人気は、あくまで人が作り出すものだけに、偶然といえば偶然なのだが、G1でもこれだけ続くと気味が悪くなる。
オークスにしても、過去10年の半数にあたる5頭の優勝馬が1番人気だった。桜花賞の内容からも、近3年で2勝を挙げているデムーロ騎手なら問題ないように思われたが、出遅れた上に掲示板も確保できない着順。放馬による15分もの遅延にしても、想定外といわざるを得ない。ここまで来ると、見えない力でも働いているのかと疑心暗鬼になるレベルである。
ダービーで追い風吹くのは「失態続き」の武豊
そこで気になるのは、日本ダービー(G1)の1番人気馬だ。

ちなみに『netkeiba.com』が公開している単勝予想オッズでは、イクイノックスの1番人気が濃厚(23日現在)。騎乗を予定しているルメール騎手は、オークスの勝利で昨年12月から続いた「JRA重賞29連敗」の泥沼から抜け出したばかり。
否が応でもイクイノックスへの期待も大きくなるが、このままだと1番人気が勝てない「地雷」を気にするなというのも難しい。
そうなると、今春のG1で不可解な後方待機策や出遅れの失態が続く武豊騎手のドウデュースや川田将雅騎手のダノンベルーガ、福永祐一騎手のジオグリフにとっては、絶好の追い風となるのではないか。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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