JRA宝塚記念(G1)はなぜ嫌われる!? アーモンドアイまたも不出走……ファン投票1位の2年連続回避はウオッカ以来!
先日、阪神競馬場で行われる第61回宝塚記念(G1)のファン投票最終結果がJRAより発表された。大方の予想通り、第1回、第2回の中間発表と同じくアーモンドアイ(牝5、美浦・国枝栄厩舎)が1位をキープした。
しかし、昨年に続き2年連続のファン投票1位に選ばれたアーモンドアイは天皇賞・秋(G1)での復帰が濃厚で、宝塚記念は回避すると見られている。ファン投票1位に選ばれた馬の2年連続出走回避は2008年、09年のウオッカ以来、11年ぶりとなった。
10年と11年のブエナビスタ、12年と13年のオルフェーヴル、14年と15年のゴールドシップ、16年と17年のキタサンブラックと2年連続で1位の馬が出走していただけに、昨年に続いてアーモンドアイが回避したことは非常に残念な結果である。
また、これまでの歴史的にも1年の総決算の位置づけとされる「冬のグランプリ」有馬記念(G1)が大きな盛り上がりを見せるのに対し、「春のグランプリ」宝塚記念は強豪メンバーが揃いにくいこともあって、もうひとつ華やかさに欠ける。有馬が「陽」なら宝塚は「陰」のイメージである。
宝塚記念は関東で行われる暮れの大一番・有馬記念と同様、関西でも上半期を締めくくるに相応しい競走で盛り上げるべく、1960年に創設されたレースである。だが、必ずしも投票結果で上位に推された有力馬が出走してくるとは限らなかった。
今年のアーモンドアイにしても、早くから昨年同様にドバイターフ(G1)から安田記念(G1)のローテーションが想定されており、宝塚記念出走の可能性についてはほぼないと考えられていたことも事実だ。
「やはり最も大きな理由として考えられるのは開催時期でしょうか。宝塚記念が行われるのは6月下旬ですから、調整が難しいこともあります。秋の復帰から逆算すると調整できる期間が短くローテーションを立てにくくなるリスクが出てきます。
さらに時期的に雨も多く、例年だと阪神の最終週となるため、馬場状態が悪化して力のいる馬場になることも多いです。速い時計の出やすい東京のG1連続開催を使ったような馬には求められる適性が異なることも、避けられる理由として考えられるかもしれませんね」(競馬記者)
過去10年の勝ち馬を振り返っても、ディープインパクト産駒の優勝馬は16年のマリアライト1頭で、ほかの勝ち馬はステイゴールドやキングカメハメハなどの、力のいる馬場を問題にしないタイプの種牡馬の産駒が多数だ。
このような背景からもアーモンドアイに限らず、スピードを武器としている有力馬が宝塚記念を選択肢に入れなかったことも、ある程度は合点の行くことなのかもしれない。
そして距離が200mしか違わない大阪杯をG1に昇格させたことで、より宝塚記念の存在意義が問われることになっただろう。開催時期も近く、差別化が出来ていない印象が強い。
一部のファンからは距離や開催競馬場の変更や、宝塚記念をいっそ廃止して札幌記念(G2)をG1にしてはどうかという声もあるようだ。
ファンの声はJRAにも届くだろうか。
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