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JRA池添謙一に再び「トラウマ級」コンビ解消危機!? 失意の帰国から9年…ソングラインに米国挑戦プラン浮上

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ソングライン 撮影:Ruriko.I

 5日に行われた春のマイル王決定戦・安田記念(G1)はソングラインが勝利。騎乗した池添謙一騎手にとってはちょうど2年ぶりとなるG1勝利、5着に敗れたヴィクトリアマイル(G1)のリベンジを人馬共に果たした格好だ。

 新たなマイル女王として名乗りを上げたソングライン。当然次走への期待も高まるが、所有するサンデーレーシングの吉田俊介代表が、今秋は米国のBCマイル(G1)への挑戦を検討していることを明かした。

 選択肢には国内のマイル路線もあるようだが、秋のマイルCS(G1)は右回りの阪神競馬場が舞台。ソングラインの良績がこれまで左回りでのレースに集中しており、左回りに統一されている米国の方が、マイルCS以上に力を発揮できる可能性もある。昨年のブリーダーズCでは日本馬が2勝を挙げているだけに、ソングラインの活躍にも期待が持てそうだ。

 一方でこの海外遠征プランを聞いて心中穏やかでないと思われるのが、主戦の池添騎手だろう。

失意の帰国から9年…

 ソングラインとは昨年の桜花賞(G1)以来、国内全てのレースで手綱を握っているが、この海外遠征を機に「コンビ解消」となる可能性もゼロではない。なぜなら池添騎手は過去にもお手馬の海外遠征を機に乗り替わりの憂き目にあった経験があるからだ。

 その苦い思い出は遡ること10年前、2012年のことである。前年の11年、池添騎手はオルフェーヴルとのコンビでクラシック三冠を達成。デビュー以来継続してコンビを組んできた池添騎手にとって、オルフェーヴルは苦楽を共にした大切な存在であった。

 12年にオルフェーヴルは凱旋門賞(G1)へ挑戦することとなったが、遠征先での鞍上は現地の世界的名手であるC.スミヨン騎手に任されることに……。「フランスでの経験が浅い」という理由から、池添騎手は手綱を任せてもらえず、最愛の相棒と凱旋門賞の舞台でタッグを組むことは叶わなかった。

 この降板劇は各所で物議を醸したが、何より悔しかったのは池添騎手自身であることは間違いない。翌年にオルフェーヴルの2度目の凱旋門賞挑戦プランが浮上すると、池添騎手はフランス遠征を敢行。これは降板劇の要因となった「現地での経験不足」を補うためのもの、もう誰にもオルフェーヴルの手綱は渡さないという強い決意を感じるものだった。

 しかし、懸命なアピールが実ることなく、オルフェーヴル陣営は池添騎手がフランスに滞在している最中に再びスミヨン騎手とのコンビを発表。梯子を外された池添騎手は失意のままに、遠征を切り上げて帰国の途に就くこととなった。

 池添騎手にとってオルフェーヴルとの日々は最大の栄光であるが、一方で「トラウマ」ともいえる最大級の挫折もオルフェーヴルを巡るものであった。

 奇しくも今回米国遠征プランが浮上したソングラインを所有するのは、あのオルフェーヴルと同じサンデーレーシング。先日のサウジアラビア遠征ではC.ルメール騎手が手綱を握っていることを踏まえても、馬主サイドがオルフェーヴルのケースと同様に「現地での経験不足」を理由にコンビ解消の判断を下す可能性も残されている。

 オルフェーヴルに続く悲劇が再び池添騎手を襲うのか。ブリーダーズカップ挑戦を機に浮上したソングラインの「鞍上問題」、今後の動向を注視したい。

(文=エビせんべい佐藤)

<著者プロフィール>

 98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。

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