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JRA宝塚記念(G1)名手D.レーン最後の大仕事!? サリオス復活に復調気配…悩める名門にヒシイグアスと最高の置き土産を残せるか

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 26日、阪神競馬場では春のグランプリ・宝塚記念(G1)が行われる。

 上半期の総決算となる大一番。その中で注目したいのが、短期免許で来日し、この日が期間内最後の騎乗となるD.レーン騎手だ。縁の深い堀師の期待馬であるヒシイグアス(牡6、美浦・堀宣行厩舎)と最後の大舞台でタッグを組む。

 先週のレーン騎手は3勝を挙げてJRA通算100勝を達成。インタビューでは「堀厩舎の馬で勝てたのも嬉しい」と語り、お世話になっている身元引受調教師の管理馬で節目の記録を達成できたことを何よりも喜んだ。

 JRAでは通算で430回騎乗して100勝。勝率23.3%をマークしている名手だが、その100勝のうち、実に26勝が堀厩舎の馬で挙げたもの。このタッグで勝率26.5%、複勝率は56.1%という凄まじい好成績を残している。

 しかし、今年に限ると4月30日からこれまでに113回騎乗して勝ち星は21。勝率18.6%と、例年よりもやや苦しんでいる印象を受ける。

 さらにその21勝のうち、堀厩舎の馬で挙げたのはわずか2勝だけの【2-5-6-9/22】という成績。複勝率は59.1%と高い数字を残しているものの、勝率は9.1%と勝ち切ることができていない。

 この背景にあるのが、堀厩舎そのものの不振だろう。

 2015年には年間54勝を挙げてリーディングトレーナーとなり、以降も2020年まではトップ5を維持し続けた東の名門だが、昨年はリーディング14位と、トップ5どころかトップ10からも脱落している。

 迎えた2022年は1月から5勝を挙げる好スタートを切り、2月にはダノンベルーガで共同通信杯(G3)を制覇。さらにはカフェファラオがフェブラリーS(G1)で連覇達成と、名門復活を印象付ける好スタートを切った。

悩める名門にヒシイグアスと最高の置き土産を残せるか

 ところが、その後は3月から5月にかけて3カ月連続で月間1勝止まり。再びトンネルの中に迷い込んでしまった。

 日本ダービー(G1)で期待されたダノンベルーガもまさかの4着敗戦。1年の折り返し地点を目前に控え、13勝はリーディング34位タイと低迷が続いている。

 そんな中、苦境の恩師を救うべく奮起したのがレーン騎手だった。

 安田記念(G1)では、苦戦が続いていたかつての相棒・サリオスを3着へと導き、先週はサイルーンとレインフロムヘヴンで勝利。堀厩舎に6月の初勝利と、4カ月ぶりとなる月間複数勝利をプレゼントした。

 騎手も厩舎も勢いに乗って迎える上半期最後の大一番。ヒシイグアスとレーン騎手のコンビは、2020年4月の石和特別(2勝クラス)以来で2年ぶり2度目。その時は勝利を掴んでいる。

 昨年暮れの香港カップ(G1)から3カ月半空けてぶっつけで挑んだ前走の大阪杯(G1)。騎乗した池添謙一騎手は「良化途上の感があり、右トモが入ってこない感じ。内にもたれながら走っていた」と振り返ったが、結果は勝ったポタジェと0秒3差の4着。「この状態でも差を詰めていますし、G1でもやれる馬だと思う」とも語っており、改めてその実力を示した。

 この宝塚記念に向けての歩みも順調で、追い切りにはレーン騎手が3週連続で騎乗。堀師からも「大阪杯の時よりも状態は一段階上がっている」と頼もしいコメントが飛び出した。

 そして宝塚記念といえば、レーン騎手にとっても、リスグラシューと初めてのコンビで快勝した思い出深いレース。JRAのG1はそのリスグラシューとともに成し遂げた宝塚記念・有馬記念(G1)の春秋グランプリ制覇と、ノームコアで勝ったヴィクトリアマイル(G1)の通算3勝。一方、堀厩舎の馬でのG1勝ちは今までない。なんとか堀厩舎の馬でビッグタイトルを、という想いは強いはずだ。

 悩める名門、お世話になっている恩師に大きな置き土産を残して、今回の短期免許期間を締めくくることができるか。レーン騎手×堀厩舎のヒシイグアスから目が離せない。

(文=木場七也)

<著者プロフィール>
 29歳・右投右打。
本業は野球関係ながら土日は9時から17時までグリーンチャンネル固定の競馬狂。
ヘニーヒューズ産駒で天下を獲ることを夢見て一口馬主にも挑戦中。

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