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JRA宝塚記念(G1)武豊「並ばれたときに手応えが違った」グラスワンダーVSスペシャルウィーク! 最強対決はあまりにもあっけない幕切れ

JRA武豊「並ばれたときに手応えが違った」グラスワンダーVSスペシャルウィーク! 最強対決はあまりにもあっけない幕切れとなった1999年宝塚記念(G1)の画像1

 競馬史上「最強馬」はどの馬なのか。これまで何度も議論が交わされてきた話題である。古くはシンザン、シンボリルドルフ、エルコンドルパサー、近年ではディープインパクト、アーモンドアイらの名馬の名前が挙がるだろう。これと同様に「最強世代」はいつなのかというテーマも競馬ファンにとって度々議題となることが多い。

 数ある世代でも最も人気があると思われるのが98年世代ではないだろうか。この年はクラシックを分け合ったスペシャルウィーク、セイウンスカイ、当時はまだ外国馬にクラシック出走権がなかったために、対決が先送りとなったグラスワンダー、エルコンドルパサーがいた。それ以外にもキングヘイロー、エアジハード、アグネスワールド、ウイングアロー、ファレノプシスなど個性豊かな面々が揃っていたことも、オールドファンから大きな支持を得ている。

 特に大きな注目を集めていたのが、スペシャルウィーク、エルコンドルパサー、グラスワンダーの三強対決だろう。残念ながら3頭が同レースで対決することは実現されなかったが、あれから20年以上経った今でも競馬ファンの間で盛り上がる話題である。

 なかでも大きな衝撃となったのが、スペシャルウィークとグラスワンダーの初対決が実現した99年の宝塚記念(G1)だ。前年のジャパンC(G1)をエルコンドルパサーの前に3着と完敗したスペシャルウィークの充実ぶりが際立つ年でもあった。

 年明け初戦のAJCC(G2)を圧勝すると、阪神大賞典(G2)では前年の天皇賞・春を勝ったメジロブライトとの一騎打ちを制し、本番の天皇賞・春ではクラシックを争ったセイウンスカイに菊花賞で敗れた雪辱を果たした。向かうところ敵なしの重賞3連勝で宝塚記念に駒を進めたスペシャルウィークが単勝オッズ1.5倍の圧倒的な1番人気に支持されたのは当然の成り行きだったといえる。

 対するライバルのグラスワンダーは単勝オッズ2.8倍の2番人気で迎え撃った。前年のグランプリ・有馬記念(G1)を4番人気で快勝しつつも、この年初戦の京王杯SC(G2)で2着に破ったエアジハードに安田記念(G1)で逆転を許す2着に敗れていた。破竹の連勝を続けたスペシャルウィークに人気で後れを取ったのも仕方がなかったかもしれない。

 凱旋門賞(G1)を目標にフランスへと旅立ったエルコンドルパサーは不在。現役最強の座を懸けた2頭の対決は大きな注目を集めた。競馬史上最高のレースとして評価の高い阪神大賞典(G2)のナリタブライアンVSマヤノトップガンのような白熱した展開が、脳裏によぎったファンも少なからずいたのではないだろうか。

 レースはスペシャルウィークが4番手の好位につけ、グラスワンダーはライバルを見る形ですぐ後ろの6番手を追走。相棒に絶対の信頼を持つ武豊騎手は、直線入り口で早くも先頭に立つ強気な騎乗を選択。後ろから迫りくるグラスワンダーの追撃を待ち受けた。

「最強馬として一騎打ちで白黒つけよう」そういった想いが透けて見えるような王者の競馬だったといえる。直線で前を行くスペシャルウィークに並びかけるグラスワンダー。ここから2頭の激しい叩き合いが展開するに違いない。ファンの興奮が最高潮に達した瞬間だった。

 ところが、そんな熱戦を望んだファンの期待とは裏腹に、あっけない幕切れを迎えることになる。

 先に抜け出しを図ったスペシャルウィークの脚色が鈍り、残り200m近くでグラスワンダーがこれを捉えると、ライバルに抵抗するだけの余力は残っておらず、ゴールを過ぎた頃には3馬身という「大差」で突き放すワンサイドゲームとなってしまった。デビューしてこれまで、自分よりも後ろの馬から差されたことのなかったスペシャルウィークにとっては決定的な敗戦を喫したといえるだろう。

 完敗したはいえ、3着のステイゴールドがさらに7馬身も後方に置き去られたこと考えれば、スペシャルウィークが能力を発揮し切れなかったという弁明は苦しくなる。

 グラスワンダーに騎乗していた的場均騎手は「(スペシャルが)直線を向くと伸びあぐねていたから『勝てる』と思った。あそこからは手応え通りの内容。強い勝ち方だったと思う」と、圧勝を振り返った。

 スペシャルウィークを管理する白井寿昭調教師も「反対に相手にマークして進んだとしても、今日は勝てなかっただろう」と完敗を認めた。「並ばれたときにもう手応えが違った」という武豊騎手のコメントが、いかに圧倒的な強さを見せつけられたかを物語っていた。

 この敗戦により、スペシャルウィークはエルコンドルパサーとの再戦の期待もあった凱旋門賞(G1)挑戦のプランも幻となってしまった。また、これから12年後となる2011年の宝塚記念でもスペシャルウィークにとっては、産駒のブエナビスタがグラスワンダー産駒アーネストリーの後塵を拝する屈辱が再現してしまった。それだけにグラスワンダーはスペシャルウィークにとって現役時代も種牡馬時代も「天敵」として立ちはだかったのである。

 実は、今年の宝塚記念でスペシャルウィークの血を引く馬は1頭いる。父がスペシャルウィークであるシーザリオの仔、サートゥルナーリアだ。同馬にとっては、凱旋門賞を目指した祖父の運命を変えることとなったこのレースを何としてでも勝ちたいところだ。

※本記事は2020年に公開されたものと同内容です。

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