JRA 2歳馬が見せた「豪脚」にファン騒然!? 大怪我を乗り越えた中堅騎手が「怪物候補」と踏み出す新たな1歩
6月に入り各地で新馬戦がスタート。先月末に日本ダービー(G1)が終わって間もないが、早くも来年のダービーを目指す若駒たちが、続々と飛躍への第一歩を踏み出している。
来年を見据えた戦いが始まるのは何も馬だけではない。騎手にとってもこの時期は来年のクラシック戦線へと繋がる重要な時期といえる。素質馬と巡り合い、パートナーを勝利へと導くことで自身もクラシックの栄冠を手にするチャンスも近づくからである。
リーディング上位に君臨するようなトップジョッキーでもない限り、期待度の高い馬への騎乗機会はそう多くはない。中堅・若手のジョッキーにとって、この時期の2歳の素質馬への騎乗は飛躍へ向けた千載一遇のチャンスといえるだろう。
そのチャンスで結果を残せるか、今週末の新馬戦で期待がかかるのが北村友一騎手である。1年1か月に及ぶ長期休養から復帰し、先々週から騎乗を再開した北村友騎手。2週間で計21鞍に騎乗したが、未だに復帰後初勝利を挙げることはできていない。
2歳馬が見せた「豪脚」にファン騒然!?
その北村友騎手とコンビを組み、26日の阪神5Rで行われる新馬戦(芝・1800m)でデビューを予定しているのがドゥラエレーデ(牡2歳、栗東・池添学厩舎)だ。
ドゥラエレーデは父ドゥラメンテ、叔父にサトノダイヤモンドがいるという良血馬。2週前、1週前と栗東のCWで追い切りを行っているが、ラスト1ハロンはそれぞれ馬なりで11.4秒、11.6秒の好タイムをマーク。父や叔父を彷彿とさせる豪脚を予感させる追い切りであった。
実はこのドゥラエレーデの追い切りは一足早く先週から話題を呼んでいた。先週末に行われたマーメイドS(G3)、そこに出走したアイコンテーラーはCWで最終追い切りを行ったが、その映像にドゥラエレーデの姿が映りこんでいたのである。
アイコンテーラーはレースに向けて併せ馬でしっかりと追われていたが、それをモニターに映らない程の後方から突如現れ、悠然と追い越していくドゥラエレーデの姿が捉えられていた。アイコンテーラーは愛知杯(G3)5着など、OPでの好走例もある実力馬。それを瞬く間に追い越していく若駒の姿は、ファンの間でも話題を集めていた。
騎乗していた北村友騎手もこの追い切りは好感触だったようで、「状態は良さそうだし、かなり能力を感じる」と太鼓判。大器の片鱗を見せる“怪物候補”とのコンビで、復活を示す勝利を狙っているはずだ。
20年にはクロノジェネシスの主戦騎手として、春秋グランプリ制覇を成し遂げた北村友騎手。その後もコンビでの更なる飛躍が期待されていたが、その最中の21年5月に落馬による大怪我を負ってしまった。続く宝塚記念(G1)、凱旋門賞(G1)、そして引退レースとなった有馬記念(G1)と北村友騎手は相棒の手綱を握ることはできず、怪我が癒えるよりも先にクロノジェネシスはターフを去ってしまった。
新たな“怪物候補”との出会いをきっかけに、再び表舞台で輝きを放つことはできるだろうか。ドゥラエレーデと北村友騎手が踏み出す、新たな1歩に注目したい。
(文=エビせんべい佐藤)
<著者プロフィール>
98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。
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