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産駒全てが出世の「超エリート母ちゃん」にハズレなし

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 優秀な母馬といえば、競馬ファンの多くはどの馬を思い浮かべるだろうか。

 アドマイヤオーラやブエナビスタなど重賞勝ち馬を数多く輩出したビワハイジ、ダイワメジャーやダイワスカーレットら「スカーレット一族」の成功例として挙がるスカーレットブーケもいる。

 またアドマイヤグルーヴやルーラーシップを生み、孫に2冠馬ドゥラメンテを持つエアグルーヴなど、現役時代の活躍も勿論のこと、その子どもたちが兄弟揃ってG1馬となった名牝達が挙がるだろうか。

 ただ、そんな名牝の子どもたちも、全てが順当に出世しているのかといえばそんなことはない。上述した代表産駒のように、デビューから一気にスターダムへの階段を駆け上がる馬もいれば、良血馬という期待とは裏腹に1勝も挙げることなくターフを去る馬だっているのだ。

産駒全てが出世の「超エリート母ちゃん」

 そんななか、G1馬こそ輩出していないものの、産駒の全てが3勝以上している「超エリート母ちゃん」がいることをご存じだろうか。

 それはハッピーパスである。同馬を現役時代に管理していたのは、今年2月に定年を迎えて引退した名伯楽・藤沢和雄調教師。近親には、同厩舎でマイルCS(G1)を含む重賞6勝のシンコウラブリイや、エプソムC(G3)を勝ったタイキマーシャルがいる所縁ある血統だ。

 デビュー戦こそ敗れたものの2戦目で初勝利を飾ると、その後はクイーンC(G3)とフィリーズレビュー(G2)で連続2着し、桜花賞(G1)へ出走。テイエムオーシャンの4着に屈したが、早くから世代トップクラスの道を歩む。

 古馬となってからも京都牝馬S(G3)を制すなど、G1勝ちこそなかったが重賞戦線でも度々好走。2004年の中山牝馬S(G3)2着を最後に現役から退き、その後は繁殖牝馬として第2のキャリアが始まった。

 母となってからは活躍馬を続々と輩出。代表的な産駒でいえば、朝日杯FS(G1)で2着、皐月賞(G1)で3着した重賞2勝馬のコディーノや、フローラS(G2)を勝ち、続くオークス(G1)で2着したチェッキーノがいる。

 さらに上述した通り、ハッピーパス産駒たちの凄いところは、その全てが3勝以上を挙げている点。下記がその一覧である。

■ハッピーパス産駒一覧(主な勝ち鞍や勝利数)

ラヴェルソナタ(騙馬) 潮騒特別(2勝クラス)など4勝
パストフォリア(牝馬) ユートピアS(3勝クラス)など4勝
コディーノ(牡馬) 東京スポーツ杯2歳S(G3)など3勝
トレクァルティスタ(騙馬) 条件戦など4勝
カービングパス(牝馬) 条件戦など3勝
チェッキーノ(牝馬) フローラS(G2)など3勝
ラボーナ(騙馬) 条件戦など3勝
ヴァンランディ(牡馬) 元町S(3勝クラス)など3勝
ジネストラ(牝馬) 札幌道新スポーツ賞(2勝クラス)など3勝

 先週には末っ子のジネストラが勝利し、これで産駒全てが3勝以上を挙げたことになる。母馬としてここまでの成功を収める馬はほんの一握りに過ぎない。

 また、最近はハッピーパスの孫たちも活躍が目立ってきている。

 長女パストフォリアの子サブライムアンセムがフィリーズレビューを制覇。また重賞勝ち馬チェッキーノの初仔ノッキングポイントが6月のデビュー戦を圧勝するなど、将来が楽しみな孫たちも続々と誕生している。

 繁殖牝馬として「超エリート母ちゃん」となったハッピーパス。今後は「超エリート婆ちゃん」となるのか、その系譜にも目が離せない。

(文=ハイキック熊田)

<著者プロフィール>
 ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?

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