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父はまさかの大失速?夏競馬で明暗分かれた横山家

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横山和生騎手 撮影:Ruriko.I

 競馬界において上半期に最も注目を集めた“ファミリー”といえば、間違いなく横山一家の3人が挙がるだろう。

 年明け早々に横山典弘騎手がシンザン記念(G3)、AJCC(G2)を勝利。長男の横山和生騎手は天皇賞・春(G1)で自身初のG1制覇を成し遂げると、上半期の総決算・宝塚記念(G1)も快勝。父や兄の活躍とは裏腹に三男の横山武史騎手はG1戦線で人気馬に多数騎乗しながらも結果を残すことができなかった。とはいえ、今年の上半期は「横山に始まって横山に終わった」といえるものだった。

 上半期の競馬で常に話題の中心にいた横山一家の3人は、当然ながら夏競馬での活躍にも期待がかかっていた。だが下半期最初の1か月である7月の戦いぶりを振り返ると、その調子は三者三様であった。

 上半期は特に重賞戦線で不振であった横山武騎手だが、この夏は一家の中でも最も充実した戦績を残している。7月に入ってからは一貫して北海道を拠点に騎乗しているため、重賞戦線では目立たないが、実は7月は16勝と絶好調だった。

 2020年から3年連続となる函館リーディングを獲得したように、まさに順風満帆な夏を過ごしている横山武騎手。7月には1日に3勝を挙げることも珍しくなく、まさに春のうっ憤を晴らすような獅子奮迅の活躍をみせている。

 兄・横山和騎手も横山武騎手と同様に夏は北海道を拠点に騎乗しているが、その成績はまずまずといった具合。宝塚記念の勝利の後で気が抜けた部分もあったのか、7月の前半は調子が上がらず最初の2週間で勝利したのは1鞍のみ。だがその後は徐々に調子を取り戻したようで、先週は3勝を挙げる活躍。終わってみれば月間で8勝を挙げ、しっかりと勝ち星を積み上げた。

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横山典弘騎手

夏競馬で明暗分かれた横山家

 一方で息子たちの奮闘とは対照的に、小倉・新潟に参戦している父・横山典騎手は極度の不振に陥っている。7月には27鞍に騎乗したがなんと未勝利、馬券圏内に食い込んだのもわずかに2度のみであった。

 実は横山典騎手が最後に勝利を挙げたのは6月4日まで遡る。そこから先週末までの間で喫した敗戦数は52にまで膨れ上がっており、これは今年で37年目となる横山典騎手の長いキャリアの中でも最多となっている。

 上半期は1月の重賞2勝や、マテンロウオリオンで2着に食い込んだNHKマイルC(G1)の見事な追い込みなど、まだまだ健在であることを示した横山典騎手。しかし一転して6月以降は自身のキャリアの中でも最大といえる大スランプに陥ってしまっている。

 このように、夏競馬での調子は三者三様となっている横山一家。特に父の横山典騎手には調子を上げてもらい、3人とも絶好調のままに秋のG1戦線に臨んでもらいたい。ファンとしては横山家の3人がビッグレースでそれぞれ有力馬に騎乗する“直接対決”にも期待をしたいところである。

(文=エビせんべい佐藤)

<著者プロフィール>

 98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。

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