
グレートマジシャン厩舎に相次ぐ「受難」……復帰の元ダービー候補を案ずる声も

14日、札幌競馬場では芝2000mの藻岩山特別(2勝クラス)が行われる。昨年の勝ち馬ソーヴァリアントはその後、チャレンジC(G3)を1番人気で制する出世を果たした。
同馬に続かんとばかりに、このレースで約2ヶ月ぶりの復帰戦を迎えるのがドゥラドーレス(牡3歳、美浦・宮田敬介厩舎)だ。
その名の通りドゥラメンテ産駒である本馬は、昨年11月のデビュー戦を快勝。次戦では父も制したセントポーリア賞(1勝クラス)を好タイムで優勝したことで、一気に日本ダービー(G1)の有力候補にまで浮上した。

だが、クラシック出走を懸けて臨んだ毎日杯(G3)で、まさかの3着に敗退。勝負どころで仕掛けが遅れた上に、直線もスムーズさを欠いたことで、乗っていた戸崎圭太騎手はレース後、「申し訳ありませんでした」と謝罪のコメントを残している。
一時は春全休も報じられたが…
賞金加算に失敗して大一番への出走が厳しくなったことで、一時は春全休も報じられたが、当初の予定を撤回して6月の東京で開催されたホンコンジョッキークラブT(2勝クラス)に出走。
鞍上には新コンビの福永祐一騎手を迎え、単勝1.2倍に支持されたものの、スタートしてすぐにポジションを下げて中団につけると、1000m通過は63秒台の超スローに。最後はメンバー最速の上がりを繰り出したが、ここも3着に敗れてしまう。
そんな痛い敗戦を繰り返したドゥラドーレスだが、今回の藻岩山特別では横山武史騎手とのタッグが想定されている。『netkeiba.com』の事前予想では抜けた1番人気に推されているだけに、ここは是が非でも3度めの正直を決めたいところだろう。
なお、管理する宮田厩舎は先月末の関越S(OP)でグレートマジシャンが1年2ヶ月ぶりに復帰を果たしたものの、最後の直線で故障を発生して競争を中止。残念ながら予後不良の診断が下された。
同馬は昨年の日本ダービー4着以来のレースで、宮田師も「またG1にチャレンジしたい」と語っていた矢先の出来事だった。それだけに、ひとつ下のエース候補であるドゥラドーレスには期する思いも強いのではないだろうか。
そんな宮田厩舎であるが、実は今シーズンに入ってからの受難はグレートマジシャンだけではなかった。
厩舎に相次ぐ「受難」…

今年2月に定年を迎えて解散した藤沢和雄厩舎から宮田師の元にやってきたのが、ディープインパクト産駒のキタノインパクトだ。同馬は屈腱炎を克服して今年2月の2勝クラスを勝利。再び軌道に乗り始めていた。
所属するDMMドリームクラブからも、次走は4月の府中S(3勝クラス)と発表されていたが、それから間もなく屈腱炎を再発。結局、同トレーナーの元に来てからは、一度も出走することなく引退を余儀なくされてしまう。

また、同じく藤沢和厩舎から転厩してきた「第二のグランアレグリア」ことラスールも、フローラS(G2)を2番人気で6着に敗れた後、骨折が判明。全治6ヶ月程度と診断されている。
「宮田厩舎は今年のNHKマイルC(G1)で5着に入ったインダストリアも、そこからあまり間を置かずユニコーンS(G3)に出走して13着に惨敗。手綱を執ったD.レーン騎手によると、レース後には熱中症の症状が見られたみたいですね」(競馬誌ライター)
そんな相次ぐ災難のなかで、グレートマジシャンの痛ましい出来事が起こっただけに、SNSやネット掲示板では「この厩舎は難が多いな」や、「ドゥラドーレスは怪我なく走り終えてほしい」といった声も上がっている。
ドゥラドーレスは今後、菊花賞(G1)戦線に進むのか、中距離路線を歩むのか今のところ定かではないが、秋以降の活躍に向けてまずは初戦を無事にフィニッシュしてほしいものだ。
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