
サリオス「復活」に安藤勝己氏も鼻高々!? 「引退する頃には……」2年前の予言

9日、東京競馬場で行われた毎日王冠(G2)は、サリオス(牡5歳、美浦・堀宣行厩舎)が1番人気に応えて快勝。一昨年の同レース以来、ちょうど2年ぶりの復活勝利を飾った。
「強いサリオス」が帰ってきた。
10頭立てながらG1馬4頭が激突した一戦。最後の直線で昨年の大阪杯(G1)の覇者レイパパレと、一昨年にホープフルS(G1)を勝ったダノンザキッドが激しい先頭争いを繰り広げると、外からジャスティンカフェが強襲。3頭が横並びになった最後の最後で、馬群を縫うようにして突き抜けたのがサリオスだった。
「本当に強い競馬でした」
いつも冷静な鞍上・松山弘平騎手にしては珍しく、ゴール寸前からこぶしを握り締めた。それもそのはず「(過去に)僕が乗って、なかなか結果が出せなかったんですけど、いい結果を出すことができて嬉しい」と本人が話す通り、サリオスとは昨年コンビを組んだものの大阪杯、安田記念、マイルCSとG1を3連敗。3戦すべて3番人気に推されていただけに、鞍上の悔しさもひとしおだったはずだ。
「直線に向いた時も手応え十分で、(最後は)ちょっと前が壁になって行くところがなかったんですけど、開いてからはしっかり抜け出してくれました」と振り返ったレースぶりは、まさに三冠牝馬デアリングタクトの主戦騎手らしい冷静沈着な騎乗。サリオスの“ど根性”が光ったレースだったが、ゴール前で馬群に包まれても慌てない鞍上のファインプレーあってこそ。松山騎手にとっても会心の騎乗だったに違いない。
この勝利には東京・芝1800mのレコードというオマケも付いたが、サリオスがこの1800mのレコードホルダーとして名を刻むことには、他馬よりも少し意義深いものがある。
何故なら、芝1800mの2歳レコードホルダーはかつてのライバル・コントレイル(2019年 東京スポーツ杯2歳S)であり、現日本レコードホルダーは弟のエスコーラ(2021年 3歳未勝利)だからだ。
2019年、デビューから3連勝で朝日杯フューチュリティS(G1)を勝利し、同年のホープフルS(G1)を制したコントレイルと並んで「2大王者」と称されたサリオスは、翌年のクラシックの中心的な存在だった。
しかし、皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)ではコントレイルが二冠を達成し、共に2着だったサリオスは最大のライバルに完敗。秋の毎日王冠(G2)を勝ったが、その後2年間も勝利に見放されるとは誰が予想できただろうか。
サリオス「復活」に安藤勝己氏も鼻高々!?
「元JRA騎手の安藤勝己さんも、早くからサリオスに注目していた人物の1人です。特に前回(3歳秋)に毎日王冠を勝った際には『完成度でコントレイルの後塵を拝してきたけど、引退する頃には勝るとも劣らない実績を築いとるはず』と(公式Twitterで)ツイートされていました。
そこから、まさか苦戦が続くとは思っていなかったものの、今回の勝利は強く復活を印象付けるもの。コントレイルは昨年すでに引退しましたが、サリオスがここからライバルの背中にどこまで迫れるのかは注目ですね」(競馬記者)
その安藤氏は、今回のレース後Twitterで「前走(安田記念3着)でキッカケを掴んで、更にキッカケになる勝ち方やった」と、サリオスの完全復活が近いことを予言している。思えば、姉のサラキアも弟のエスコーラも、妹のサリエラも奥手の傾向がみられる血統だ。
残念ながら、コントレイルにリベンジを果たす機会は失われたが、2歳王者の“遅すぎる復活”は大きな実りに繋がるのか。秋のG1戦線の注目ポイントがまた1つ増えた。
PICK UP
Ranking
23:30更新「素行不良」で干された若手の更生に関西の大御所が名乗り! 福永祐一を担当した大物エージェントもバックアップ…関係者から「優遇され過ぎ」の声
【NHKマイルC(G1)予想】ジャンタルマンタルは皐月賞の反動があるとみて消し! 出走唯一の連勝馬に着目
横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 「関東の問題児」がバチバチの叩き合いで痛恨の騎乗停止…被害馬の騎手からもクレーム? 降着の裁決に「迷惑をかけてしまい申し訳ない気持ち」
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- JRA「一寸先は闇」のような勢力図の激変…注目集めた若手同期の明と暗、あの「お騒がせ騎手」が佐々木大輔に続くブレイク?
- 武豊「こんな馬ではない」アルテヴェローチェ不完全燃焼!レースレベルに疑問残るも…川田将雅「4コーナーで勝つと思いました」の明暗