【マーチS(G3)展望】スワーヴアラミスVSタイムフライヤー! 上位ハンデ馬が好調でハイレベルな一戦
高松宮記念(G1)当日の29日(日)は、中山競馬場でも注目の重賞競走が組まれている。ダートのハンデ戦、マーチS(G3)である。昨年は3連単の払戻金が1,240,620円という大波乱となったレースだった。今年も波乱の決着となる可能性は十分にある。
まずは近10年のデータを振り返りたい。このレースはハンデ戦だが、軽ハンデ馬が苦戦する傾向にある。53キロ以下で出走した馬は【0・0・0・12】と全く馬券になっていないのだ。ハンデ戦では、どうしてもこうした馬を狙いたくなるが、このレースに限っては、これらの馬たちを狙うと痛い目に遭う可能性がある。
一方で、58キロを背負った馬は【3・1・1・6】。勝率27.3%は57.5キロ以下で出走した馬たちよりも高い数字を残している。2010年にはマコトスパルビエロが、2011年にはテスタマッタが、2013年にはグランドシチーがいずれも58キロで勝利している。
今年は58キロで出走予定の馬はいない。代わりに57~57.5キロで出走する馬が人気の中心となりそうだ。『netkeiba.com』の予想単勝オッズで1番人気となっているのは、2.2倍のスワーヴアラミス(牡5歳、栗東・須貝尚介厩舎)。57キロでの出走となる。
スワーヴアラミスと言えば、昨年のワールドオールスターJ第3戦(2勝クラス)でM.ミシェル騎手が手綱を取り、勝利したことを覚えている人も多いだろう。
その後も9月の阪神・オークランドRCT(3勝クラス)を連勝し、オープン入り後も福島民友C(L)で3着、ポルックスS(OP)で1着、アルデバランS(OP)で2着と大崩れしていない。重賞初挑戦で57キロというハンデは楽な条件ではないが、ハンデキャッパーもそれだけ実力を評価しているということなのだろう。
昨年の武蔵野S(G3)で2着、前走のフェブラリーS(G1)で5着のタイムフライヤー(牡5歳、栗東・松田国英厩舎)も57キロで出走する。
芝では2017年のホープフルS(G1)を制したG1馬だが、その後は勝ち星がない。ダートに路線を変えて、今回が6戦目となる。G1だった前走より相手が楽になったことは間違いない。
18日(水)の1週前追い切りでは、6F79秒3、ラスト1F11秒9という好タイムをマーク。久しぶりの勝ち星を挙げることも可能な出来にあると判断していいだろう。
初ダートだった前走の仁川S(L)で2着に入り、多くのファンを驚かせたクリンチャー(牡6歳、栗東・宮本博厩舎)も軽視してはいけない1頭だ。スワーヴアラミスやタイムフライヤーよりも0.5キロ重い57.5キロでの出走となるが、芝では2018年の京都記念(G2)を制し、凱旋門賞(G1)にも出走した地力を侮ることはできない。
ハンデに恵まれた馬を狙いたい人には、同じ中山・ダート1800mで行われた総武S(OP)を逃げ切ったメイショウワザシ(牡5歳、栗東・南井克巳)を推奨したい。
昨年のシリウスS(G3)で3着に入った実力馬が、前述した3頭より1~1.5キロ軽い56キロで出走できる点は魅力的だ。中2週での出走だが、栗東の坂路とCWで15日(日)、18日(水)、22日(日)に時計を出しており、調整過程は順調と考えていい。
56キロで出走できる馬の中では、ワイルドカード(牡6歳、美浦・木村哲也厩舎)も忘れてはならない。錦秋S(3勝クラス)、ベテルギウスS(L)と連勝中だ。
今回は休養明けだが、18日(水)の1週前追い切りでは高松宮記念に出走する同厩舎のステルヴィオとの併せ馬を南Wで行い、ラスト1Fは12秒4と出走態勢は整っている。
ハンデ戦だが、上位ハンデ馬に好調馬が多い今年のマーチSは意外にハイレベルな一戦となるかもしれない。
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