JRA「出世レース」青竜S(OP)3歳ダート最強馬に最も迫った「あの馬」が二刀流“断念”でダート界「制圧」へ!

17日、東京10Rは青竜S(OP)が行われる。同レースは2014年に創設された3歳限定のダート競走で、今年で7回目を迎える。まだ歴史の浅いレースだが、過去の勝ち馬からはG1馬・ノンコノユメのほかにも、サンライズソアやグリムらの重賞馬を輩出しており、2015年以降の勝ち馬はすべて重賞勝ちを収めている出世レースだ。
3歳ダート路線を占う上重要な一戦に、今年も好メンバーが揃った。その中でも、ダート路線に照準を絞ったタガノビューティー(牡3歳、栗東・西園正都厩舎)に期待したい。
デビューからダートレースを2連勝したタガノビューティー。3戦目で初の芝レースに挑戦するのだが、なんといきなり朝日杯FS(G1)という大舞台を選択した。同レースで1番人気に支持されたサリオスと同じ無敗馬だったが、芝初出走のヘニーヒューズ産駒ということを考えれば9番人気の低評価は当然と言えるだろう。
だが、レースではその下馬評を覆し、4着に入る健闘を見せた。3着とはクビ差だったため、あわや馬券に絡む激走だ。G1で好走したため、次走のシンザン記念(G3)では、3番人気に支持されるも6着に敗れてしまった。
この敗戦を受けて、陣営は負けなしのダートでの仕切り直しを決断する。
次走に選択したのはヒヤシンスS(L)。得意のダートで景気よく復活といきたいところだったが、出鼻をくじかれてしまう。
レースを後方から進め、末脚勝負にかけたタガノビューティー。自慢の末脚を繰り出すも、勝ち馬カフェファラオとは1馬身1/4差の2着に敗れてしまい、ダート初黒星となってしまった。
だが、負けた相手カフェファラオは、3歳世代のダート最強の呼び声高い馬だ。新馬戦は2着に10馬身、3着馬はそこからさらに9馬身差という圧勝を決めている。このとき2着だったバーナードループは、その後3連勝で兵庫チャンピオンシップ(G2)を優勝。負かした相手も強かったことで、よりカフェファラオの評価を高めている状況だ。
単純比較はできないが、重賞勝ち馬バーナードループが「10馬身差」つけられた相手に、「1馬身1/4差」まで迫ったタガノビューティーは世代No.2という評価をしてもおかしくはないだろう。
「朝日杯FSはレース展開が向いたことが、4着に好走した大きな要因です。本質的にタガノビューティーはダート馬で間違いないでしょう。ダート復帰戦のヒヤシンスSで敗れたとはいえ、3着とは2馬身半差ありました。また芝レースで好走したのは能力自体が高いことを示しており、世代ではトップクラスのダート馬のはずです」(競馬記者)
ヒヤシンスSが行われた日のメインレースはフェブラリーS(G1)で、モズアスコットが芝・ダート「二刀流」のG1制覇を達成した。奇しくも、二刀流を断念したタガノビューティーのダート復帰日に偉業が成し遂げられてしまった……。
主戦場をダートに定めたタガノビューティー。カフェファラオと再戦するためには、青竜Sで足元をすくわれるわけにはいかないだろう。
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