JRAオークス(G1)マルターズディオサ見限るのは早計!? 父がダービー制した舞台、人気急落も反撃必至
24日、東京競馬場では3歳牝馬の頂点を決するオークス(G1)が行われる。無敗の桜花賞馬に輝いたデアリングタクトと2戦2勝でスイートピーS(L)を快勝した素質馬デゼルの対決に注目が集まっている。
マルターズディオサ(牝3、美浦・手塚貴久厩舎)も反撃を期待できる1頭だ。降りしきる雨の影響で重馬場となった桜花賞(G1)では、逃げたスマイルカナ、2番手につけたレシステンシアに続く3番手と、果敢な先行策を選択した。直線で失速し、8着に敗れはしたが、稍重までしか経験がなかったなかで、ここまで馬場の悪化したレースが初めてだった影響も考えられる。
これまでの同馬のキャリアでも6戦のうち、4戦が上がり3Fで33秒台を駆使していたように、末脚の切れで勝負するのが本来のスタイルだ。にもかかわらず、あえての先行を選択したのは、ひとえに2歳女王レシステンシアの存在があったからに他ならないだろう。
マルターズディオサは昨年の阪神JF(G1)でレシステンシアに5馬身差をつけられる完敗を喫していた。だが、2頭が再び相まみえたチューリップ賞(G2)では、レシステンシを徹底マークした結果、逆転に成功した。
この「成功体験」が、桜花賞で田辺騎手が先行策を選択した理由として、大きく作用したことは想像に難くない。5番人気だった桜花賞とは異なり、オークスの人気は急落することが予想されるため、前回に比べると気楽な立場で臨めることで選択の幅も広がるだろう。
「桜花賞のマルターズディオサの凡走は、重馬場が少なからず影響した可能性がありるかもしれません。あそこまで馬場が悪化すると道悪の巧拙が明暗を分けることはよくあります。
父キズナの産駒は京都新聞杯(G2)をディープボンドで制して今年の重賞を4勝とまだ勢いもあります。距離延長を不安視する声もありますが、3歳春は距離適性がまだはっきりとしない時期でもあり、能力さえあれば好走しても不思議ではありません」(競馬記者)
チャンピオンディスタンスといわれるオークスの東京芝2400mは、3歳牝馬にとって過酷な舞台だ。勝ち馬が圧倒的な強さを見せる一方、人気の盲点となった穴馬が思わぬ激走で穴をあけることも珍しくない。
昨年は1番人気の支持を受けたラヴズオンリーユーが快勝したが、2着には12番人気カレンブーケドールが食い込んだ。2番人気クロノジェネシスが3着を確保しながらも3連単は17万を超える高配当となった。
2歳女王レシステンシアはNHKマイル(G1)に出走し、オークスを回避したことにより、自分のレースに徹することができるだろう。マルターズディオサとしても末脚を活かすことができる東京へのコース替わりも歓迎ではないだろうか。
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