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JRA CBC賞(G3)3連単「244万」演出ラブカンプーは「何故」復活したのか? 陣営が語った戦略と復調のサインとは

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JRA CBC賞(G3)3連単「244万」演出ラブカンプーは「何故」復活したのか? 陣営が語った戦略と復調のサインとはの画像1 5日、日曜阪神のメインレース・CBC賞(G3)は単勝オッズ93.1倍の13番人気ラブカンプー(牝5、栗東・森田直行厩舎)が逃げ切り勝ち。斎藤新騎手は嬉しい重賞初制覇を達成した。

 大波乱となった夏の名物重賞は2着にも11番人気アンヴァルが食い込み、2頭の馬連は13万8600円の大万馬券。3着に3番人気レッドアンシェルが入り、3連単は244万4630円の超高配当となった。

 レースは2枠3番の内枠から斎藤騎手に促されたラブカンプーがスッとハナに立つと、そのまま楽な手応えで先導。直線に入っても脚色は衰えない。そのままセーフティリードを保ってゴールを駆け抜けた。2着に入ったアンヴァルも懸命に追い上げるが、1馬身3/4差に追い上げるのが精一杯だった。

 斎藤騎手はレース後のコメントで「結果を出せて嬉しいです。重賞に乗せていただいたオーナーや森田先生、陣営の皆さんに感謝しかありません」と感激もひとしお。「この馬場で、斤量も軽いので、後続に脚を使わせて、いかに粘れるかという競馬の方が良いと思って乗り、それに馬が応えてくれました」と作戦がハマったことを振り返った。

 しかし、この勝利がまったくの偶然ではない側面があることも確かだ。そもそもラブカンプーに勝てるだけの実力がなければ、どれほど展開が向いても勝利は得られなかっただろう。

 では、改めてラブカンプーが復活した前兆について振り返ってみたい。まず大前提となるのは2年前のセントウルS(G2)、スプリンターズS(G1)でいずれも2着に入っているように実力馬であることだ。

 ところが、スプリンターズSの次走となった19年のシルクロードS(G3)からオーシャンS(G3)、高松宮記念(G1)、アイビスサマーダッシュ(G3)と4戦連続で最下位に敗れた。今年の高松宮記念でも18頭立ての16着と、さすがに「終わった馬」の評価が定まりつつあった。

 近走では前で競馬をすることも出来ずにいたかつての快速馬に、変化が見られたのが前走の韋駄天S(OP)だ。このときラブカンプーは2枠4番からスタート、4番手を追走して7着に敗れたとはいえ、最後まで止まっていなかった。外枠が有利とされる新潟の直千競馬で復調を感じさせた。

「馬も生き物ですから走ることに飽きていたり、苦痛を覚えていたのかもしれません。正直、ここまで惨敗を繰り返してきた5歳牝馬だけに繁殖入りした方がいいのではという声もありました。

この馬の復活を諦めずに試行錯誤した陣営の手腕を評価したいです。新潟の直千・韋駄天Sで闘魂を注入し、スタートのダッシュ力を強化していました。もしかしたら2走前のかきつばた記念(G2)で初ダートを試したのもカンフル剤となった可能性がありますね。

併走馬を突き放した直前の追い切りからも、すでに闘志が戻っていたのかもしれません」(競馬記者)

 加えて、逃げ馬にとって追い風となったのが阪神の馬場状態だ。土曜から日曜にかけて良馬場の開催とはならなかったが、いずれも逃げ先行馬の前残りが目立っていた。芝コースは水捌けの関係で、内から馬場が乾いていくといわれることもある。ロスなく走れる内枠を引き、例年の中京ではなく今年は阪神開催のCBC賞だったことも運が向いた。

 また、高松宮記念を4着降着のクリノガウディーが、G1未勝利ながら58キロを背負わされたことに対し、G1・2着の実績があるラブカンプーは51キロの軽量で走れたことも大きかった。CBC賞前に森田師が「前走でも止まっていなかったし、だいぶ復調してきた感じで状態は上向き」と期待していたが、最高の結果で応えたといえる。

 完全復活を遂げた実力馬の次走に大いに注目したい。

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