JRA「世紀の期待外れ」“元”超大物フォイヤーヴェルクがついに本領発揮! 新潟ジャンプS(G3)6馬身差圧勝で、オジュウチョウサンが待つ頂上決戦へ!
やはり、只者ではなかった。
1日、新潟競馬場で行われた新潟ジャンプS(G3)は、1番人気のフォイヤーヴェルク(牡7歳、栗東・池江泰寿厩舎)が優勝。直線で楽々と抜け出し、3連勝で重賞初制覇を飾った。
最終障害を先頭で飛越し終えた際、北沢伸也騎手は重賞勝利を意識したかもしれない。それくらいメドウラークの手応えには、まだ余裕があった。しかし、そこからフォイヤーヴェルクは異次元の末脚を発揮。粘るメドウラークを楽な手応えで交わすと、最後は6馬身差をつける圧勝劇だった。
「この馬を障害に使おうと考えた関係者に感謝したいです」
レース後、主戦の森一馬騎手がそう語るほどの強さを見せたフォイヤーヴェルク。これで未勝利、オープンに続く3連勝だが「だんだん障害戦に慣れて、飛越が整ってきた」と振り返っている通り、レースを重ねるごとにパフォーマンスを上げている印象だ。
「レース後、池江泰寿調教師が『(道中)アブミが外れたのでヒヤッとした』と語っていましたし、最後の勝負所でも口向きの悪さを見せるなど、荒削りな面はあるんですが、やはり能力は高いですね。特に最後の直線での手応えは圧巻。相変わらずスパートはズブい面がありますが、まともに走ってからは一気に後続を突き放しました」(競馬記者)
フォイヤーヴェルクといえば、デビューを控えた2015年には関係者が「日本の3冠はもちろん、凱旋門賞まで意識している馬」と話すほどの超大物として注目を浴びていた。しかし、後の2歳王者リオンディーズと激突したデビュー戦で大敗を喫すると、長らく低迷……。
結局、平地では3勝クラスの壁を突破できずに障害入りとなった。
しかし、やはりフォイヤーヴェルクは只者ではなかった。障害デビューこそ3着に敗れたが、その後に3連勝。絶対王者オジュウチョウサンが長く覇権を握っているジャンプ界だが、この日の圧勝劇で打倒オジュウチョウサンの1番手に浮上したと述べても過言ではない。
「オジュウチョウサンが5連覇を飾った今春の中山グランドジャンプ(G1)で、最大のライバルと目されていた昨年の最優秀障害馬シングンマイケルが競走を中止して他界……。フォイヤーヴェルクは、そんな中で久々に現れた対抗馬なので、ファンや周囲の期待も高まります。
今回の重賞勝利で、年末の中山大障害(G1)でオジュウチョウサンと激突する可能性は非常に高くなりました。相手は強いですが、人気を二分するような存在になってほしいですね」(別の記者)
今年7歳を迎えるフォイヤーヴェルクだが、森騎手が「まだ課題はあるが、成長の余地は十分」と言えば、池江調教師も「障害のセンスがある。7歳でも若々しいから、まだ強くなる」とジャンパーとしての成長力には、まだまだ大きな伸びしろがありそうだ。
果たして、ジャンプ界で“政権交代”が起きるのか――。2頭の今後には、ますます大きな注目が集まりそうだ。
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