
JRA“VS”森秀行調教師の知恵比べ!? 弥生賞ダントツ最下位も喝采「ヘヴィータンクルール」誕生から2年……「総賞金の山」を巡る頭脳戦

18日(日)にもみじS(OP/芝1400m)が京都競馬場で行われる。昨年勝利したラウダシオンが、翌年のNHKマイルC(G1)を制覇したことでも知られる1戦。8頭立てで行われる今年も、出走する素質馬たちの優勝争いにファンも熱視線を送っている。
だが、今回はそこに少し違った意味合いも含まれているようだ。その“裏の主人公”とされるのが、ジャスパーメジャー(牡2、栗東・森秀行厩舎)だ。
米国産馬であるジャスパーメジャーの父は、ケンタッキーダービー(G1)とドバイワールドC(G1)を制したアニマルキングダム。母はSeahawk Gir、母父はサンタアニタダービー(G1)を勝ったパイオニアオブザナイルだ。
新馬戦の前にジャスパーメジャーは栗東の坂路で猛時計を連発。密かに注目を集めたものの、16頭立てで15着と惨敗。次走は目先を変えてダートに出走し、3番人気に支持されるも11着。2戦連続で二桁着順に終わっていた。
今年、未勝利ながらコスモス賞(OP)に出走したカランドゥーラ(2着)のように、そのポテンシャルを見込まれて格上挑戦を行う未勝利馬もいる。だが、ジャスパーメジャーは2戦してともに凡走……。
競馬の常識から考えると、とても通用しないと思われるものの、この挑戦の裏には「別の目的」があると見る関係者もいる。
「ジャスパーメジャーを管理する森氏は、以前、競馬雑誌『優駿』に『中央競馬の枠組みの中で戦っている限り、それは定められた総賞金という”一つの山”を何百人かの調教師で奪い合っている』と語っていました。それを体現するかのように、18年には未出走だったヘヴィータンクを10頭立ての弥生賞(G2)へ出走させ、トップから22秒9も離されたダントツ最下位だったものの、出走奨励金を獲得したとして、話題になりました。
ですのでジャスパーメジャーも、少頭数開催の『出走奨励金狙い』なのではないかと言われています。もみじSは優勝賞金が1600万円で5着にまで本賞金、そしてそれ以降にも第1着本賞金に対して、6着は8%、7着7%、8着6%の出走奨励金が支払われます。今回は8頭立てですから、例えジャスパーメジャーが最下位で終えたとしても、1600万円の6%である96万円がもらえます。これは未勝利戦で4着に入ったときよりも多い金額です。森師の着眼点は素晴らしいものがありますね」(競馬誌ライター)
ただこの作戦にはクリアしなければならない条件がある。それが特別出走手当の減額措置(1)に記されている「1着馬とのタイム差による減額」だ。芝1400m以下のレースでは、1着馬と3秒以上離された場合、交付金が減少してしまう。
以前は、平地オープン競走・障害特別競走(重賞競走を含む)はこの対象ではなかった。だが、18年11月にJRAは『2歳または3歳の未出走馬および未勝利馬』が出走し、「1着馬とのタイム差」が規定を超えた場合は、“不交付”となると定めている。
一説によれば、この変更は森厩舎のヘヴィータンクの弥生賞で見せた“記録と記憶に残る大差負け”も影響しているのではという。
厩舎の先輩が作り上げてとも言われる「3秒」の壁。ジャスパーメジャーが何着に入り、トップから何秒差でゴール板を駆け抜けるのか。
PICK UP
Ranking
5:30更新「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
宝塚記念(G1)団野大成「謎降板」に関西若手のエースが関係!? 武豊の不可解な登場と突然のフリー発表…関係者を激怒させた「素行不良」の舞台裏
浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- 未勝利ルーキーが「深刻理由」で乗鞍激減!?度重なる失態に師匠からはお灸、エージェントも契約解除の大ピンチ
- JRA「出禁」になったO.ペリエ「税金未払い」騒動!? L.デットーリ「コカイン使用」K.デザーモ「アルコール依存症」過去の”外国人騎手トラブル”に呆然……
- 【阪神C(G2)展望】武豊“マジック”でナムラクレア、ママコチャを破った重賞馬が待望の復帰戦! 短距離界の有馬記念に豪華メンバーが集結
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
- 天才の息子・福永祐一は何故「天才」と呼ばれないのか? 「漁夫の利」に集約されたシュヴァルグランでの「決意」に落胆
関連記事
JRAウインマリリンとコンビ「全勝」横山武史、初G1制覇へ秘策あり!? 秋華賞(G1)「大逃げ」「最後方」G1でみたび“父譲り”大胆騎乗か
JRA武豊が、安藤勝己が涙を飲んだ「牝馬三冠」の壁。「秋華賞とデアリングタクトのことばかり考えてる」人生の岐路に立つ30歳・松山弘平の「重圧」
JRAサリオス陣営「鞍上確保」で路頭に迷う!? C.ルメールで圧勝も「頼みの綱」は堀師お気に入りの「剛腕」か
JRA吉田隼人「無傷」の真実。 衝撃「落馬事故」に垣間見られる成功の秘訣!?「史上3位」スピード記録は“不死身”の肉体の賜物か
O.マーフィー騎手「2019年最高の勝利」JRAディアドラに続く期待牝馬が試金石の一戦! 凱旋門賞(G1)から半月……「伝統」はこの馬から世界へ!?