O.マーフィー騎手「2019年最高の勝利」JRAディアドラに続く期待牝馬が試金石の一戦! 凱旋門賞(G1)から半月……「伝統」はこの馬から世界へ!?
18日の京都競馬場で行われる、もみじS(2歳OP)にヒトヨギリ(牝2歳、栗東・橋田満厩舎)が出走を予定している。
デビュー戦は、中京の芝1200m戦。抜群のスタートからは先頭へも立てそうな状況であったが、他馬に行かせて2番手を追走する。その大人びたレース運びからは、古馬のような風格さえ感じさせられるほどだった。
直線で鞍上の福永祐一騎手が追い始めると、そのアクションに応えてスッと反応。残り200mで前を捉えると、そのまま突き放して快勝した。
この、何とも日本らしい馬名のヒトヨギリであるが、実はイギリスで生産された外国産馬。父Shalaaに、母父がMotivatorという欧州血統だ。
オーナーは、先日の凱旋門賞(G1)にディアドラを出走させた森田藤治氏。橋田厩舎所属のヒトヨギリは、まさにディアドラと同じコンビという事になる。
ディアドラといえば、秋華賞(G1)で名牝リスグラシューを破っての勝利。その後は、昨年2月の中山記念(G2)を最後に、海外で活躍している。
中でも、印象深いのがナッソーSでのG1勝利だ。日本馬によるイギリスのG1制覇は、2000年アグネスワールドのジュライC以来、史上2頭目の快挙。
このレースで鞍上に迎えたのは日本でもお馴染みとなったO.マーフィー騎手だった。
激しい起伏とトリッキーなコース形態が特徴のグッドウッド競馬場が舞台。日本と比べて時計を要する事もあり、ディアドラは出走馬9頭中、7番人気タイの低評価に留まった。
レースでは好スタートを切ったものの、位置を下げて後方3番手からの競馬を選択。速くなる展開のなか終始内ラチ沿いを追走し、直線ではオープンストレッチを利用して最内に進路を取った。
進路が狭くなる場面もあったが、そのまま最内に位置を取るマーフィー騎手。残り400mで空いたスペースを突くと、最後は他馬を引き離し1馬身1/4差を付けて快勝した。
ゴール後、自身の完璧な騎乗からか、ガッツポーズと共に大きく雄叫びを上げたマーフィー騎手。その後の座談では「2019年最高の勝利」としてナッソーSを挙げており、この好騎乗がディアドラを勝利へと導いた。
ナッソーSを現地で観戦した森田オーナー代理は、海外挑戦の意義について「行くことによって得られるものは大きい。それは単に賞金(が高い)とかではないです。人脈も広がるし、マイナスになることはないですね」と『サンスポZBAT!競馬』(サンケイスポーツ)のインタビューにて答えている。
ヒトヨギリも今後の活躍によっては、ディアドラのように世界へ飛び出すのかもしれない。
馬名意味は「日本の伝統楽器。一節切」から。
ヒトヨギリも、日本競馬の伝統を世界へと広げる活躍に期待したい。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ジャパンCはノーザンファームに逆らうな?武豊×ドウデュース、ルメール×チェルヴィニア、さらに社台グループの意外な隠し玉が出走?
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊ドウデュースに「最強刺客」立ちはだかる…今年のジャパンCで「外国馬は消し」が危険すぎる理由
- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- C.スミヨン騎手「サンデーが拒否」原因はC.ルメール騎手? ドバイターフ(G1)リアルスティール「鞍上ドタバタ劇」の裏事情
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
関連記事
JRA秋華賞(G1)リアアメリアは「ファインモーション級」か!? 前走「完全復活」が“裏目”に出る意外な理由とは……
JRA武豊を惑わす「騎乗馬問題」ジャパンC(G1)「ちょっと待ったコール」でキーファーズ参戦!? “こだわり”が織りなす「三つ巴」に発展か
JRAサートゥルナーリア「評価急落」のしくじり。アーモンドアイ“忖度”の一員になり下がった超良血馬……。1年前に「破綻」した壮大な計画とは
JRA秋華賞(G1)岡田代表デアリングタクト、「ファンが望めば」熱い想いに競馬ファンも大興奮……コントレイルとの対決や凱旋門賞(G1)も視野!?
元JRA藤田伸二氏と笠松競馬元調教師が異例のコラボ!? あの“事件”の真相が明らかになるか