
JRA天皇賞・秋(G1)福永祐一「己との闘い」3冠ジョッキーが背負う“赤い十字架”。 15年前の「苦い記憶」払拭なるか
先週の菊花賞(G1)でコントレイルに騎乗し、クラシック3冠を達成した福永祐一騎手。
11月1日に東京競馬場で行われる天皇賞・秋(G1)には、フィエールマン(牡5歳、美浦・手塚貴久厩舎)に騎乗する予定だ。
いまや水色に赤のバッテンがお似合いな福永騎手だが、今週は黒地に赤のバッテン。泣く子も黙るサンデーレーシングの所有馬であるが、天皇賞・秋で福永騎手となるとあまりいいイメージは沸いてこない。
いまから15年前。思い出されるのは、2005年の天皇賞・秋に福永騎手で挑んだキングストレイルだ。
レースでは、スタート直後に躓いて最後方からの競馬。道中は最内の後方2番手を進んだ。1000m通過が62.4秒のスローペース。馬群は一団となり直線に向く。
このペースで後方2番手。一か八かの内強襲かと思われたが、外に回した福永騎手。結果、キングストレイルはメンバー中2位の上がりを使いながらも、勝ち馬から1秒差の16着に惨敗した。
勝利したのは最内を突いたヘヴンリーロマンス。14番人気で1着と松永幹夫騎手(現・調教師)の好騎乗が際立ったレースであった。
断然の1番人気を背負ったゼンノロブロイが唯一馬群を割って馬券圏内の2着に飛び込んだが、3着は最内から早め先頭に立ったダンスインザムード。こちらが13番人気で、三連単122万6130円の波乱となった。
後半1000m57.7秒であった事からも、明らかなスローペース。距離ロスが大きく響く流れとなってしまった。
「この天皇賞・秋は天皇陛下が観覧されたレースで、松永騎手が馬上からお辞儀したのが印象的でしたよね。福永騎手に関しては28歳とまだ若かったですし、ペース判断や走らせる位置に不満が残るレースだったかもしれません。3冠ジョッキーになり今となってはいい経験だったと言えますが、当時は本人にとっても苦い記憶となってしまったのではないでしょうか」(競馬記者)
セントライト記念(G2)を勝利して、3歳馬ながら天皇賞・秋に挑んだキングストレイル。
藤沢厩舎の天皇賞・秋といえば、3歳馬の挑戦だけでも1996年のバブルガムフェロー、2002年のシンボリクリスエスが勝利。この前年である2004年のダンスインザムードも2着と健闘していたため、ファンの期待も大きかったのかもしれない。
その後、2013年にはジャスタウェイで、2着ジェンティルドンナを0.7秒突き放す圧勝を経験している福永騎手。
あの時の「苦い記憶」は払拭できているのだろうか……。
3冠ジョッキーが背負う“赤い十字架”。今後も「己との闘い」は続いていきそうだ。
PICK UP
Ranking
17:30更新【ヴィクトリアマイル(G1)予想】ナミュールから6点で万馬券狙い! マスクトディーヴァは持ちタイムに不安ありで消し! 高速決着に対応できる穴馬で勝負
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 「空前の競馬ブーム」巻き起こしたオグリキャップ…ぬいぐるみはバカ売れ、見学ツアーも大人気、「ビジネスチャンス」生かしたオーナーの慧眼【競馬クロニクル 第64回】
- JRA出鼻をくじかれた「16億円」の大勝負……。「神の馬」の二の舞だけは避けたい日高に朗報!? 海外からのニュースに関係者も安堵か
- 武豊騎手「パドック意味なし」発言に仰天……馬券購入セオリー「完全否定」のトップ騎手たちが語るパドック必勝法とは