JRAジャパンC(G1)魅せたキセキ「超大逃げ」独り旅! 世紀の三強対決に抜群の存在感…… ファン大絶賛も浜中俊は「衝撃」のコメント
29日、東京競馬場で行われたジャパンC(G1)は、C.ルメール騎手の1番人気アーモンドアイが優勝した。
史上類を見ない8冠馬VS無敗三冠馬2頭による対決を制し、自身の芝G1最多8勝をさらに更新する9勝目を挙げたアーモンドアイ。引退レースとなった府中の舞台で有終の美を飾った。
3着以内に三強3頭が入るという最強を決めるに相応しいレースとなった。三冠馬2頭の返り討ちに成功したことで、名実ともに最強馬の名を確たるものへ昇華させた一戦だったといえる。
競馬ファンのみならず、世間の注目も集めたレースは熱戦が繰り広げられた。上位に入線した馬が力を出し切ったが、これはキセキ(牡6、栗東・角居勝彦厩舎)の激走なしには語れないだろう。
15頭立てのレースは異例の出走で話題を独占したヨシオ陣営が逃げ宣言していたこともあり、この馬が逃げると見られていた。ゲートが開いて真っ先に飛び出したのはアーモンドアイ。これを外からヨシオが先頭を窺おうとしたところで、キセキが一気にハナを奪う展開。ヨシオも懸命について行こうとするが、地力に勝るキセキが大きく後続を離して独り旅となる。
そのままペースを緩めることなく加速したキセキは、1000m通過57秒9の大逃げで2番手以降との差を5馬身10馬身と広げていく。直線に入って尚、セーフティリードを保っていたものの、ゴール100m手前でアーモンドアイに交わされ7着で入線した。
敗れたとはいえ、キセキの大逃げに競馬ファンからも賛否が分かれた。ネットの掲示板やSNSでは”キセキの大逃げ”が話題となり、「キセキ頑張った」「感動した」という肯定的なものもあれば、「距離間違えた?」「本命にしたのにガッカリ」といった否定的な意見も混在していた。
「キセキの存在感は光りましたね。大逃げがレースの盛り上がりに一役買ったことは間違いありません。歴史に残る一戦がスローペースのヨーイドンではなく、力と力の勝負になったのはこの馬の功績といえるでしょう。
ただ、懸念されるのは次走です。キセキの近走は後ろからの競馬で好結果を残していました。脚質転換が成功していただけに、また前掛かりになる悪い癖が悪化しなければいいのですが……」(競馬記者)
レース後、浜中俊騎手は「スタートが良ければ、前へ行こうと思ってはいたのですが、1コーナーから掛かっていました。それで、馬の気に合わせて行きました。馬の状態は良かったです」と振り返った。
逃げて2着に好走した2年前のジャパンCの再現を狙ったと感じたファンも多かったかもしれない。だが、馬が掛かったので、そのまま行かせてしまったというのが裏事情だったようだ。
課題だったスタートに改善の兆しが見えつつあったキセキ。それだけに、行かせてしまったことは、今後の折り合いに不安を残す逃走劇だったといえるかもしれない。
PICK UP
Ranking
11:30更新- 【阪神JF】リバティアイランド、アスコリピチェーノ、ソダシを超える逸材!? 2歳女王決定戦で買うべき“大物馬主”推奨の2頭
- 武豊「来年が楽しみ」ヤマニンウルス不在でも大健闘…フォーエバーヤング擁する世代レベルの高さも証明
- 【香港C(G1)展望】絶対王者ロマンチックウォリアーVS逆襲の女王リバティアイランド! ダービー馬タスティエーラ完全復活なるか
- 【阪神JF(G1)展望】L.デットーリ×米国2歳女王メイデイレディが日本襲来! フォーエバーヤング妹など日本の女王候補が迎撃
- ミホノブルボンvsライスシャワー連想させた「100分の1」の攻防!同一馬によるワンツースリーは平地競走史上初
- 武豊「非常識な最高速」でチェルヴィニア置き去り…他馬を凌駕する切れにC.ルメール「ドウデュースと同じ走りは出来ない」
- 【香港マイル(G1)展望】3歳マイル王ジャンタルマンタルが待望の戦線復帰! 悲願達成のソウルラッシュと世界制覇に挑む
- ジャパンCでも天皇賞・秋でも下馬評覆す4歳馬の好走…「最弱世代」の汚名返上着々、出遅れて逃げてもダービー馬に先着の逸材が待望の復帰
- 武豊ドウデュースに「最強刺客」立ちはだかる…今年のジャパンCで「外国馬は消し」が危険すぎる理由
- ハーツクライ産駒でも走りはディープインパクト?有馬記念に潜むファンの夢と希望とロマンと甘い罠
関連記事
JRAジャパンC(G1)今週の「美味しい1頭」……日本ダービー(G1)で“3強”撃破のアノ「厩舎&騎手」で大勝負!
JRA浜中俊「勝ったと思った」ジャパンC(G1)肌で感じた「世界との差」コンビ最後の挑戦「2013年」起こせなかった“奇跡”
JRA天皇賞・秋(G1)キセキ、ウインブライトら「6歳馬」4頭が敗退で「キョウエイプロミスの呪い」がまたも継続!? 37年前の悲劇とは……
JRA天皇賞・秋(G1)クロノジェネシスが「アーモンドアイ撃破」に虎視眈々! 東西関係者「激白(秘)ネタ」が馬券取捨の役に立つ!?
JRA天皇賞・秋(G1)武豊キセキ「白紙」からの再教育。「ライバルはゲート」角居厩舎、8年前の悪夢払拭なるか