JRA武豊「こんなに強い馬はいませんでした」歴史的名馬「他界」も受け継がれし血脈。東海S(G2)今後占う一戦に「白毛」の後継者登場
ジャパンCダートなどG1・2勝を挙げたクロフネ(牡23歳)が17日、けい養先である北海道安平町の社台スタリオンステーションで、老衰の為この世を去ったと18日にJRAが発表した。
クロフネといえばNHKマイルC(G1)を勝利するなど芝でも活躍したが、さらに衝撃のパフォーマンスを見せたのがダート戦。2001年の秋に戦いの場を芝からダートに移すと、初戦となった武蔵野S(G3)では「1.33.3」の驚異的なレコードで9馬身差の圧勝を飾っている。
さらに、メンバーが強化されたジャパンCダートでも圧巻の競馬。7馬身差の独走劇を演じると、騎乗した武豊騎手も「これまでにも良い馬にたくさん乗せていただきましたが、今日のレースに限って言えば今まで乗ってきた馬の中でも、こんなに強い馬はいませんでした」とコメントを残している。
クロフネの馬主は金子真人氏。クロフネの他にも、日本競馬史に名を刻む数々の名馬を所有してきた名オーナーだ。同馬主のディープインパクトやキングカメハメハは2019年に他界。これらもコントレイルやドゥラメンテなど数多の名馬をターフに送り込んだが、クロフネの血も脈々と受け継がれている。
昨年は父クロフネのソダシが4戦4勝で阪神JF(G1)勝利。白毛馬として史上初のG1制覇を成し遂げる快挙を達成した。
そして、24日に中京競馬場で行われる東海S(G2)に出走を予定しているハヤヤッコ(牡5歳、美浦・国枝栄厩舎)もまた、母父にクロフネの血を持つ白毛一族の一頭だ。
芝でデビューしたハヤヤッコは2戦目の未勝利戦で勝利を飾ると、4戦目からはダート転向。3歳時にはレパードS(G3)で重賞勝ちを収めており、昨年のブラジルC(L)では4勝目を挙げている。
ソダシと同じシラユキヒメの一族で、希少な白毛馬であるハヤヤッコ。昨年はソダシのほか、メイケイエールも重賞2勝と活躍した勢いのある一族で、同馬に懸けられる期待も大きい。
前走のブラジルCでは初の2100m戦となったが、騎乗した田辺裕信騎手は「4角から直線に向いての手応えがばっちりだったので、いけるなという感じがありました」とコメント。父のクロフネが7馬身差で圧勝したジャパンCダートと同距離で、秘めたる能力を感じさせた。
現在、ジャパンCダートは名称や条件が変わりチャンピオンズC(G1)として引き継がれており、その舞台が東海Sと同じ中京競馬場のダート1800m戦。今回のレースが、今後を占うための重要な一戦となりそうだ。
クロフネの血、そして白毛の血を受け継ぐ者として、ハヤヤッコには今後のさらなる活躍を期待したい。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛