
JRA「騎乗依頼なし」でテレビ出演“赤っ恥”ベテランが単勝「178.4倍」の大金星。「馬主の醍醐味」大物オーナーのバックアップに満点回答
7日、東京競馬場で行われた東京新聞杯(G3)は菅原明良騎手のカラテが優勝。人馬ともに嬉しい初の重賞制覇となった。
その一方、新味を求めて初のマイル戦に出走したニシノデイジーは見せ場なく13着に惨敗。2年3か月ぶりの勝利には手が届かなかった。
今回、手綱を取ったのは前走に続いて勝浦正樹騎手。デビューからセントライト記念(G2)まで主戦を務めてきたが、菊花賞(G1)でC.ルメール騎手に乗り替わり。その後は田辺裕信騎手とのコンビが続いていたが、昨年の函館記念(G3)で再びチャンスが巡ってきた。ここでは13着と結果を残すことができなかったが、コンビ継続となったことで期待に応えたい気持ちが強かったはずだ。
1月16日に小倉開催が始まって以降、勝浦騎手は小倉に長期滞在していた。だが、ニシノデイジーに騎乗するため、東京開催に参戦。これには騎乗馬確保という点で多少のリスクがあった。
ルメール騎手、福永祐一騎手、戸崎圭太騎手などのトップジョッキーが集結している中央開催は、ローカル開催と比べれば激戦区。メインレースの騎乗馬が決まっているとはいえ、他のレースで乗鞍を確保するのは困難と言えるだろう。
実際、今年に入って中京と小倉を中心に騎乗していた藤岡佑介騎手はヴェロックスに騎乗予定(回避によりプロディガルサンに騎乗)のため、7日は東京競馬場で騎乗した。しかし、当日の乗鞍はメインレースを含めてわずか2鞍。このことからも、小倉に腰を据えている勝浦騎手が東京で騎乗依頼を集めるのは容易でないことがよくわかる。
そんな勝浦騎手を支えたのが、ニシノデイジーを所有する西山茂行オーナーだった。
勝浦騎手は4鞍に騎乗したが、そのうち3鞍は西山オーナーの所有馬。小倉からニシノデイジーのために東京へ来る勝浦騎手の心意気に応えてのことだろう。
ニシノデイジーで結果を出すことは出来なかったが、勝浦騎手は東京6Rの新馬戦をニシノオイカゼ(牡3歳、美浦・武市康男厩舎)で勝利。13番人気、単勝178.4倍の低評価を覆す大金星はオーナーを歓喜させた。
西山オーナーは自身のブログで「個人馬主が府中の新馬を勝つことがどれほどたいへんかは、やったものでないとわかりません」「次走はどこへ行きましょうかね。この悩みが馬主の醍醐味です」とコメント。ニシノオイカゼが勝利したことを相当喜んでいるようだ。
過去に勝浦騎手は土曜日の騎乗依頼がなく、競馬中継番組である『ウイニング競馬』(テレビ東京)に出演したことがある。レースに騎乗するのが本来の姿だが、スケジュールが空いたためゲスト出演する姿勢は好印象だった。ただ、本当に果たすべき役割は騎手として勝利を挙げることと思っていたはずだ。
今回、勝浦騎手は乗鞍を用意してくれた西山オーナーへの感謝を勝利の二文字で示すことができた。これで2人の絆はより深まったのではないだろうか。
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