
JRA武豊でさえ羨んだ蛯名正義の偉業!? 中山記念(G2)から続く「世界」フジヤマケンザンが切り開いた道
28日、中山競馬場で行われる中山記念(G2)。これが引退レースとなる蛯名正義騎手は、ゴーフォザサミット(牡6歳、美浦・藤沢和雄厩舎)に騎乗を予定している。
蛯名騎手の中山記念で印象深く記憶に残るといえば、やはりフジヤマケンザンで勝利した1995年ではないだろうか。
前年の同レースでは1番人気のケントニーオーに騎乗していた蛯名騎手だが、フジヤマケンザンを妨害して降着。翌年、今度は自身がフジヤマケンザンに騎乗し、勝利を掴んでいる。
蛯名騎手は、このレースについて「(昨年)迷惑を掛けたフジヤマケンザンに今年は乗って勝てた。複雑な心境だけどやっぱり爽快かな」とJRA機関紙『優駿』にて回答。奇しくも、前年に妨害した馬で昨年の借りを返す結果となった。
中山記念の前に香港国際C(OP・香港Cの前身)で4着と健闘していたフジヤマケンザンは、この勝利で再び世界へと照準を合わせる。しかし、香港で行われたクイーンエリザベス2世C(OP・現G1)では、2番人気の支持を受けながらも終始馬群に閉じこめられる競馬で、全く動けずに10着と大敗した。
蛯名騎手は当時「インコースに包まれて何もできなかった」と悔しさを滲ませると、次の騎乗がないことを覚悟していたという。
帰国後は河内洋騎手を鞍上に、宝塚記念(G1)に挑んだフジヤマケンザンだったが11着に惨敗。次の七夕賞(G3)で再び騎乗するチャンスを得た蛯名騎手は、これを勝利し主戦へと返り咲いている。
その後、休み明けのカブトヤマ記念(G3)の4着を挟み、富士S(OP・現G2)を快勝したフジヤマケンザンは、再び香港C(この年から国際G2・現G1)に挑戦。このレースを会心の騎乗で勝利し、昨年のリベンジを果たした。
今でこそ当たり前となった日本馬の海外レース優勝だが、この勝利は海外における36年ぶりの勝利。陣営の努力はもちろんだが、フジヤマケンザンが世界への道を切り開いたといっても過言ではないのかもしれない。
そんな、フジヤマケンザンで勝利した思い出深い中山記念で引退を迎える蛯名騎手。引退後は、調教師への道がすでに決まっている。
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