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【特別連載②】JRA安藤勝己を生んだ笠松競馬の闇。「騎手で食べていけるのは上位5人だけ」売上10年で約3倍増の絶頂期も「本当に」儲かっているのは……

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「今では一時期は笠松以下の賞金水準だった高知の半分程度。笠松の賞金は全国屈指の低さですよ」(同前)

 開催中止になる直前の笠松競馬最下級条件のCクラスの賞金は1着:27万円、2着:6万1千円、3着:4万1千円、4着:2万7千円、5着:1万4千円。これを同時期の他場同条件で1着賞金を比較すれば以下のようになる。

競馬場 1着賞金
笠松(岐阜県) 27万円
門別(北海道) 27万円
水沢(岩手県) 25万円
船橋(千葉県) 80万円
金沢(石川県) 27万円
園田(兵庫県) 35万円
高知(高知県) 50万円
佐賀(佐賀県) 27万円

 世界でも二番目の高水準賞金体系ともいわれる南関東(浦和、船橋、大井、川崎)はさておいて、岩手(盛岡、水沢)、東海(名古屋、笠松)、金沢、佐賀の賞金水準は地方競馬の中でもひときわ低い。進上金は調教師10%、騎手と厩務員がそれぞれ5%。賞金が上がらなければ収入も増えない。

 1着賞金27万円のレースに勝っても調教師は2万7000円、騎手と厩務員は1万3500円の実入り。これとは別に騎手には調教騎乗料とレースの騎乗手当が加わる。厩務員にはこの手当はないが、調教師と雇用契約を結ぶので騎手にはない固定給がある。

「調教師でも騎手でも食べていけるのは上位5人くらいですよ。それ以外は生活していくのにカツカツの収入しかありません」

 免許を更新されず廃業した元調教師は笠松競馬の惨状を訴える。昨年の笠松競馬リーディング・トレーナーの笹野博司は157勝をあげ、その獲得賞金が7131万円。リーディング・ジョッキーの筒井雄介が131勝をあげ、獲得賞金が6173万円である。

 笹野は馬主からの預託料から厩務員の固定給に支払った後に余りなどを加えれば1000万円を超える所得となる。

 一方の筒井雄介も進上金に調教騎乗手当、レース騎乗手当が加わってやはり1000万を超え、世間から見れば決して悪い収入ではない。しかし、笠松上位の調教師、騎手の収入はデビューから間もないJRAの1年生騎手の足元にも及ばない。

 しかし、競馬の世界は付き合いが派手なので出費も嵩み、調教師は管理馬確保のために北海道などの馬産地に定期的に出かけなくてはならない。年収1000万円を超えるといっても、見た目ほど生活は楽ではない、という。

「毎朝、いや午前2時から朝8時まで30頭以上の調教をこなし、昼からは命がけでレースに騎乗。開催のない週でも調教は欠かせません。上位はなんとか食べていけるレベルですが、笠松には調教師20人、騎手20人が所属。中位以下の調教師、騎手は悲惨そのものです。自分がいうのもなんですが、これが不祥事を生んだ大きな原因、土壌です」

 元調教師は反省と自戒をこめて、馬券購入に走った原因とその収益のからくりを明らかにした。(続)

<プロフィル>
売文家・甘粕 代三(あまかす・だいぞう):1960年東京生まれ。早大在学中に中国政府給費留学生として2年間中国留学。卒業後、新聞、民放台北支局長などをへて現業。時事評論、競馬評論を日本だけでなく、中国・台湾・香港などでも展開中。

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