
JRA 「幻の秋華賞馬」レイパパレ高野友和調教師の挫折……、4年前に味わった皐月賞1番人気馬との苦い記憶とは
コントレイル、グランアレグリア、サリオスが激突し、三強対決に注目が集まった先週の大阪杯(G1)。戦前の下馬評とは裏腹に勝利を挙げたのは川田将雅騎手の4番人気レイパパレ(牝4、栗東・高野友和厩舎)だった。
この勝利でデビューからの連勝を6に伸ばしたレイパパレは、牝系を遡ると1993年のダービー馬ウイニングチケットがいる血統。1984年にグレード制が導入されて以降、無敗で古馬GI制覇を遂げたのはファインモーションの2002年エリザベス女王杯(G1)、クリソベリルの19年チャンピオンズC(G1)に続く三度目の快挙となった。
管理している高野友和調教師のG1優勝は、2015年のジャパンC(G1)を制したショウナンパンドラ以来6年ぶり。同馬に続いて牝馬での勝利を飾った。
牡馬でも重賞勝ちしている高野調教師だが、これまでの活躍馬は牝馬が多いのが特徴といえるだろう。昨年のオールカマーを制したセンテリュオ、桜花賞(G1)に出走するエリザベスタワーも牝馬だ。
そんな高野調教師だが、レイパパレ以前にも無敗のG1制覇の夢を見た馬がいたことは有名である。

その馬の名は4年前のクラシックで大きな注目を集めたファンディーナ。
デビューから3連勝して2着に付けた着差の合計が15馬身3/4。無敵の快進撃を続けた期待馬に、陣営が表明したのが牡馬クラシック皐月賞(G1)への挑戦だった。
「無事にここを走れば、ダービーに行くプランもあります」
当時、『netkeiba.com』の取材を受けた高野調教師は高らかに宣言した。牝馬として64年ぶりに日本ダービー(G1)を制したウオッカが引退してから約10年、怪物候補に陣営が期待を寄せたのも無理はない。
しかし、意気揚々と挑んだ皐月賞で1番人気に支持されたものの、ファンディーナはまさかの7着に惨敗……。ダービー挑戦の夢が消えたどころか、牝馬相手のローズS(G2)や秋華賞(G1)でも人気を裏切る敗戦が続いた。
その後はリゲルS(OP)に出走した後に骨折が判明して無念の引退。高野調教師は「これからの人生で、後悔の感情が心の奥底にずっと残りそうです。本当に申し訳ない思いです」と後悔の言葉を残している。
「オーナーサイドが決めたファンディーナの皐月賞挑戦。3連勝はすべてワンサイドゲームの大楽勝だったこと、フラワーC(G3)から桜花賞(G1)までの間隔を考慮すると、無謀な挑戦だったとはいえません。陣営も立て直しを図りましたが、夏負けしたファンディーナは帰厩後も思った通りの調整が叶わず、歯車が狂っていったのでしょう。
皐月賞の敗戦がファンディーナのその後に大きな影響を与えてしまったのかは、定かではありません。しかし、圧倒的なパフォーマンスで大きな注目を集めていただけに、賛否が分かれる結果となってしまいました」(競馬記者)
あれから4年、挫折を味わった皐月賞と同じく、4月に行われた大阪杯で見事な勝利を挙げたレイパパレ。前回の苦い記憶を払拭してくれた無敗馬のG1制覇だったのではないだろうか。
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