
JRA ナリタブライアンVSマヤノトップガン「伝説」再現を完全阻止! 天皇賞・春(G1)残酷に告げられた最強馬交代の報せ、リベンジ懸けた最強兄弟の血が再び舞い降りる
時は1996年――。4月21日に行われた天皇賞・春(G1)は、ナリタブライアン、マヤノトップガンの2強対決に大きな注目が集まった。
前哨戦の阪神大賞典(G2)は、最後の直線でマヤノトップガンをアタマ差かわしたナリタブライアンが勝利。3着のルイボスゴールドを9馬身も突き放した2頭のマッチレースは、今もオールドファンの語り草となっている。
そんな伝説のレース後ということもあり、本番の天皇賞・春でも2頭に人気が集中。単勝1.7倍のナリタブライアンと2.8倍のマヤノトップガンの一騎打ちと目され、3番人気サクラローレルは14.5倍と軽視されていた。
レースは16頭立ての芝3200m。ナリタブライアンにとっては2年前の1994年に兄のビワハヤヒデが制したレースでもあり、兄弟での天皇賞制覇が懸かった一戦でもあった。
中団馬群の中を追走するナリタブライアンに対し、マヤノトップガンは後方から。テイエムジャンボとスギノブルボンの2頭が、後続を大きく突き放す展開となった。
1周目の正面スタンド前でマヤノトップガンが外目から押し上げて4番手を追走。ナリタブライアンは馬群でじっくりと脚を溜めた。
2周目の向正面で馬群は凝縮し、勝負どころの3コーナーへ。外から動いたナリタブライアンと併せてマヤノトップガンという形は、阪神大賞典の再現を思わせた。
しかし、残り200mではマヤノトップガンがまさかの失速。これを交わして先頭に躍り出たナリタブライアンがそのまま押し切るかに思われたのも束の間、それをぴったりとマークしたサクラローレルが一気に交わし去り1着でゴールした。
人気を裏切る形となったナリタブライアンは、2馬身半差の2着。兄のビワハヤヒデに続く天皇賞制覇とはならなかった。
ビワハヤヒデ、ナリタブライアンを出した母パシフィカスの仔による2度目の天皇賞制覇とはならなかったが、その意思を受け継ぐ馬が今年も出走を予定している。
キズナ産駒のディープボンド(牡4歳、栗東・大久保龍志厩舎)だ。
父キズナの2代母はパシフィックプリンセスで、母キャットクイルはパシフィカスの妹。つまりキズナは、ビワハヤヒデとナリタブライアンの近親に当たる。
ディープボンドは、昨年の菊花賞(G1)で4着と好走して長距離適性を証明。前哨戦の阪神大賞典では2着ユーキャンスマイルに5馬身差をつける圧勝劇で存在感を見せつけた。
今年の出走馬で唯一パシフィックプリンセスの血を受け継ぐディープボンド。天皇賞とは縁のなかったナリタブライアンのリベンジとなるかに注目したい。
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