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JRA武豊の「慢心」が招いたウオッカ絶体絶命の危機!? 安田記念(G1)女傑が切り裂いた壁、壁、壁……、「下手でした」名手も反省した2009年の大偉業
5月2日、阪神競馬場で行われた天皇賞・春(G1)から始まった春のG1・6連戦も、先週は日本ダービー(G1)が終了して残すところは安田記念(G1)のみ。27日の宝塚記念(G1)が終わると、いよいよ本格的に夏競馬が到来する。
春G1で大きな注目を集めたのはソダシ、エフフォーリアによる無敗二冠の達成。いずれも単勝1倍台の支持を集めたものの、伏兵の前に敗戦。昨年のコントレイル、デアリングタクトに続く2年連続の偉業とはならなかった。
6日の安田記念でも昨年との連覇を狙うグランアレグリアに人気が集中すると考えられるが、大本命馬の連敗にストップを掛けられるだろうか。
牝馬限定のマイルG1・ヴィクトリアマイルが創設された2006年から16年経つが、これまで両レースを連勝した馬はわずかに1頭。あのアーモンドアイですら叶わなかった偉業を達成したのはダービーを勝った女傑ウオッカのみ。牝馬相手から牡馬の一線級に強化されるレースを勝つためには、ただ強い牝馬というだけではなく、性別の枠を超えた能力の高さが求められるのだろう。
そんなウオッカの偉大な記録も、一歩間違えれば大惨敗もあったかもしれない。
2009年の安田記念に出走したウオッカは、ヴィクトリアマイルを2着馬に7馬身差をつける大楽勝を飾っての臨戦。牡馬が相手でも前走に続く単勝1倍台の断然人気に支持される。
だが、このレースはウオッカのキャリアでも1位2位を争う苦戦を強いられた。
フルゲート18頭立てのレース。内の2枠3番からポンと好スタートを決めた武豊騎手とウオッカのコンビだが、外から主導権を取ろうとするローレルゲレイロ、アルマダが激しいハナ争い。これにコンゴウリキシオーも競り掛けたため、前半600mは33秒4のハイペースとなる。
前進気勢の強いウオッカはピタリと折り合い、先団の7番手から追走した。終始、抜群の手応えで走っていたこともあり、鞍上の武豊騎手も最後の直線入り口では、進路を探すだけのはずだった。
ところが、この最終局面で思いもよらぬピンチに直面する。
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