JRA連覇狙うグランアレグリアに「不安説」が浮上!? 藤沢和雄調教師ラスト安田記念(G1)「不可解采配」から3年、C.ルメールへの“貸し” を返してもらえるか
6日、東京競馬場では第71回安田記念(G1)が行われる。注目はもちろん連覇を狙うグランアレグリア(牝5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)だろう。
2歳時から第一線で活躍してきたグランアレグリア。3歳春に桜花賞(G1)を制覇し、昨年はG1を3勝。さらに前走のヴィクトリアマイル(G1)を圧勝して、これまで積み重ねたG1タイトルは5つ。1年前には、絶対女王のアーモンドアイを完封したレースで、負けは許されない状況だ。
ところが、グランアレグリアには幾つかの不安が浮上しているという。
「どうやら前走後に、爪が痛くなるアクシデントに見舞われたようです。藤沢先生は『全然、大丈夫』と不安なしを強調していますが、中2週という初めてのローテーションだけに気になるところです。
また、大阪杯(G1)を道悪で走った疲労の懸念もあります。実際、同タイムで駆け抜けたコントレイルは大阪杯の疲れが抜けきれず、宝塚記念(G1)回避が発表されました。グランアレグリアはさらに1走多く走っていますからね……」(競馬誌ライター)
同じサンデーレーシング所属で安田記念に出走予定のシュネルマイスターの鞍上が未発表なのもグランアレグリアの「状態不安説」をさらに掻き立てる。
「もしグランアレグリアの状態が万全であれば、シュネルマイスターの鞍上はすでに正式発表されていてもおかしくありません。なかなか発表されないということは、やはりグランアレグリアの爪の状態に多少なりとも不安があるのかもしれませんね」(同)
もしグランアレグリアが回避すれば、シュネルマイスターにはC.ルメール騎手が騎乗するという流れなのだろう。鞍上がなかなか発表されないのは、グランアレグリアの状態を見極めているからという可能性が高そうだ。
今のところグランアレグリアは出走する方向だが、藤沢厩舎の安田記念回避で思い出されるのが、2018年の出来事だ。
その年の安田記念は藤沢厩舎からサトノアレス、スターオブペルシャ、タワーオブロンドン、ムーンクエイクの4頭が登録をしていた。サトノアレスは蛯名正義騎手を背に出走したが、他の3頭は不可解な理由で出走を回避した。
前哨戦の京王杯SC(G2)をレコード勝ちしたムーンクエイクと、NHKマイルC(G1)は不完全燃焼に終わる競馬ながらも、中間の調整がうまくいっていたタワーオブロンドン。2頭はともに「ルメール騎手が乗れないから」という全く同じ理由で回避。3頭目のスターオブペルシャもすでに鞍上を手配済みだったにもかかわらず、「いきなりのG1は無謀」というのが回避の理由だった。
唯一出走したサトノアレスは出遅れるも7番人気で4着に好走。そんななか、優勝したのは連闘で臨んだルメール騎手のモズアスコットだった。もし藤沢和厩舎の4頭出しが実現していれば、除外されていたはずの馬。3頭を回避させたこの藤沢調教師の采配は当時、「ルメール騎手に“貸し”を作った」などとも言われた。
あれから3年。藤沢厩舎から今年唯一出走するグランアレグリアの背にはルメール騎手が跨る。無事出走にこぎつければ、きっと3年前の“借り”を返してくれるはずだ。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。
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