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JRAサリオス「不可解騎乗」でドン詰まり……安田記念(G1)松山弘平「位置を取れなかった」ベスト舞台で凡走に春全休コントレイルとの「共通点」

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JRAサリオス「不可解騎乗」でドン詰まり……安田記念(G1)松山弘平「位置を取れなかった」ベスト舞台で凡走に春全休コントレイルとの「共通点」の画像1
ダノンキングリー 撮影:Ruriko.I

 6日、東京競馬場で行われた春のマイル王決定戦・安田記念(G1)は、川田将雅騎手の8番人気ダノンキングリーが優勝した。

 先に抜け出したグランアレグリアをゴール寸前で交わし、5歳を迎えた春に嬉しい初G1制覇。ダノンキングリーは昨年の天皇賞・秋(G1)を12着に大敗して以来の休み明け、このレースが初コンビだった川田騎手の手綱捌きも冴え渡った。

 その一方、3番人気に推された松山弘平騎手のサリオスは8着に完敗。前走の大阪杯(G1)は5着に敗れたとはいえ、雨で力のいる馬場も向かなかった。堀宣行調教師は「東京1600mは言い訳できない舞台」と話した通り、陣営がベストと主張するマイルの安田記念で巻き返しを期待されていた。

「取りたい位置を取れなかった。好位で脚を溜めたかった」

 松山騎手がそう振り返ったように、後方からの競馬を強いられたサリオスにとっては厳しい展開。直線では進路が開かず、なだれ込むような不完全燃焼だった。

 だが、スタートしたときから、すでに凡走の予兆があったかもしれない。

 ハナを切ったダイワキャグニー、2番手のトーラスジェミニ、3番手のラウダシオンはそれぞれの騎手が徹底先行の強い意思が伝わる主張を見せたのに対し、1枠1番のサリオスは周りの出方を見ながらの競馬。そうこうしている内に隣枠のギベオンにも前を遮られ、サリオスはポジションを下げざるを得ない状況へと追いやられた。

 3ハロン34秒9のスローペースに落ち着いたこともあり、馬群は団子状態。すぐ外にはダノンキングリーが並行する格好となり、内へ押し込まれたまま、外に持ち出すことも出来なかった。

 最後の直線も近づき、徐々にポジションを押し上げようとするも時すでに遅し。前にはラウダシオン、インディチャンプが立ち塞がり、狭いところから割り込んできたグランアレグリアに先を越される。結局、これといった見せ場も作れないままゴールすることになった。

「松山弘平騎手に積極性が足りなかったことも残念でした。1枠1番という最内からのスタートですから、ある程度は出して行く必要があったように思います。終始、後手に回る展開で、能力を発揮できないままの終戦でした。

上位に入線した馬が強かったのは間違いありませんが、もう少しスムーズな競馬が出来ていれば、ここまでの大敗はなかったようにも思えます」(競馬記者)

 ひとつ気になるとすれば、レース後に松山騎手が「スタートからトモ(後肢)が踏ん張り切れなかった」とコメントしていたことだ。

 これが好位に取りつけなかった理由ということなら、やはり雨中の激戦となった大阪杯の見えない疲れがあったのではないかという疑念も残る。先日、同レースに使われたコントレイルは疲れが抜けずに宝塚記念(G1)回避を表明したばかり。サリオスにも疲れが残っていた可能性は十分に考えられるだろう

 堀宜行調教師が「今回は結果を出さないといけないし、その仕上がりにあります」と、自信を隠さなかったサリオス陣営。にもかかわらず、2000mに続いて1600mでも結果を出すことが出来なかった。

 この敗戦は次走の選択に大きな影響を与えそうだ。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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