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JRA 菊花賞(G1)の隠し玉!?「第2のアリストテレス」イクスプロージョンが2連勝でクラシック候補の素質馬をまとめて撃破!

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 歴史的な瞬間となった昨年の菊花賞(G1)。単勝1.1倍の大本命馬コントレイルが、辛うじて三冠を達成したものの着差はクビ差。主戦の福永祐一騎手が「肝を冷やした」と語ったのは、遅れてきた大物アリストテレスの激走だった

 コントレイルが無敗で日本ダービー(G1)を制した5月末。アリストテレスは1勝クラスの馬に過ぎなかった。しかし、夏に自己条件を連勝すると菊花賞に駒を進める。鞍上のC.ルメール騎手の好騎乗もあって、世代の絶対王者を首の皮一枚まで追い詰めた。

 あれから約1年。今年も遅咲きの大物によって、ダービー馬シャフリヤールや皐月賞馬エフフォーリアといったクラシックの主役たちが肝を冷やすことになるかもしれない。

 12日に中京競馬場で行われた9R・春日井特別(1勝クラス、芝2200m)を6番人気のイクスプロージョン(牡3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)が勝利。秋の菊花賞へ向けて、貴重な通算2勝目を挙げている。

 前走に未勝利を勝ち上がったばかりの8頭立て6番人気の伏兵の勝利。2着に付けた着差は3/4馬身と地味な結果だったが、どこまでも伸びていきそうな豊富なスタミナを感じさせる走りだった。

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「レース後、鞍上の西村淳也騎手が『今日はそこまで気を抜かなかった』と評価していた通り、もともと抜け出すとソラを使ってしまうところがある馬。まだ粗削りで初勝利までに6戦も要したことから目立った存在ではなかったんですが、ここに来て走りが安定してきましたね。着差以上に強い内容だったと思います」(競馬記者)

 イクスプロージョンの魅力は、何と言っても長丁場に向いていそうなその血統背景だろう。父オルフェーヴル×母父シンボリクリスエスというスタミナ配合は、重賞2勝を挙げ、今年のダイヤモンドS(G3)で2着し、天皇賞・春(G1)にも出走したオーソリティと同じ。

 そして何より、名牝バレークイーンの一族はアリストテレスと同族であり、重賞ホースを多数輩出。重賞3勝を挙げ、2004年の天皇賞・春で1番人気に推されたリンカーンなど、スタミナ豊富な晩成の一族としても知られている。

「6番人気の低評価でしたが、出走8頭中7頭が3歳馬というフレッシュなメンバー構成。特に1番人気のグロリアムンディは、すみれS(L)でディープモンスターの2着。2番人気のトーホウバロンは京都新聞杯(G2)の4着馬、3番人気のレヴェッツァは今年の出世レースとして名高い毎日杯(G3)の5着馬と、1勝クラスとは思えないほどハイレベルでした。これだけのメンバーを相手に勝ち上がった意味は大きいですよ」(別の記者)

「最後は遊ぶところがありましたが順調でした」

 西村騎手の言葉からも、まだ全力を出し切れていないと思えるイクスプロージョンは、これで2連勝となった。

 大目標となる秋の菊花賞まで約4か月。同族のアリストテレスがあと一歩で果たせなかった下剋上へ、今年も「この夏の最大の上がり馬」は、名牝バレークイーンの一族から出現する。(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

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