
「ドン詰まり」に不満の声続々!? 函館スプリントS(G3)若手有望株・泉谷楓真が経験の浅さを露呈、好走組と明暗分けた決定的な違いとは
13日、札幌競馬場で行われた函館スプリントS(G3)は、先手を主張した藤岡佑介騎手の5番人気ビアンフェがカレンモエの追撃を凌いで優勝。3着に惜敗した前走のオーシャンS(G3)の雪辱を果たした。
その一方、弱冠19歳の若手・泉谷楓真騎手には、ほろ苦い経験となったかもしれない。
函館スプリントS は2016年にソルヴェイグ、17年にジューヌエコールが勝利したように、前走で桜花賞(G1)を経由した50キロの3歳牝馬にとっても好相性のレース。自身の初重賞制覇の懸かったこのレースで、泉谷騎手はシゲルピンクルビーとのコンビで挑戦。ファンも2番人気に支持したが、能力を発揮できないまま、9着と惨敗してしまった。
16頭立てフルゲートの芝1200m戦。まるでフライングのような絶好のスタートを決めたカレンモエ。これにビアンフェが競り掛けたが、カレンモエは共倒れを避けたかったのか控えて2番手。

2枠3番シゲルピンクルビーは、悪くないスタートながらも1枠2番のマイネルアルケミー、2枠4番ジャスティンに挟まれる格好となり、あっという間に前が塞がる。両隣に行きたい馬が揃ったのも不運だったか、ポジションを下げると次々に先行勢が内に殺到し、後方待機を余儀なくされてしまった。
致命的だったのは3コーナーから4コーナーに掛けてのポジション取りだろう。外に進路を見つけられないまま、最後の直線に入ると泉谷騎手はインを選択する。だが、マイネルアルケミーに締められ続ける苦しい展開で、満足に追えることなくゴールする。
ビアンフェは7枠14番、2着カレンモエは8枠16番と、外枠の馬がワンツーフィニッシュを決めたように、ゴチャついた内枠の馬にとっては厳しい展開だった。
シゲルピンクルビーは終始、窮屈なレース運びながら、それでも勝ち馬とは0秒5の差でしかない。普通にレースが出来ていれば……。そう考えた一部のファンからはネットの掲示板やSNSで「どん詰まりじゃないか」「若手には荷が重かった」「和田(竜二騎手)なら何とかしてくれたはず」と、泉谷騎手の騎乗に対して厳しい意見も出ていた。
「絶好枠に思えた内枠が仇になってしまいましたね。不運にも前に行きたい馬が近くにいたこともあってポジション取りで“万事休す”といった感じでした。内のマイネルアルケミーからはタックルを受けるような格好で下げざるを得ませんでした。
あそこまで下がってしまうなら、腹を決めて外の進路を探した方がよかったのかもしれません。最後の直線でも、よりによってとても開く気配のなかった最内を突いてしまったため、終始前が壁になって追うことが出来ず、勿体ない競馬になってしまいましたね」(競馬記者)
そんな泉谷騎手に対し、前走で手綱を執っていた和田竜騎手は、4番人気のミッキーブリランテで見せ場十分の3着。今回、シゲルピンクルビーは50キロの軽ハンデのため、コンビは実現しなかったが、同馬のファンからは再登板を望む声も出た。
ただ、泉谷騎手はまだまだ伸び盛りの若手有望株。次にチャンスが訪れた際には、この経験を糧に好騎乗を期待したい。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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