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JRA現役最強馬クロノジェネシスを徹底研究。デビュー前の評価・北村友一&ルメールのコメント・同期のサンデーレーシング募集馬たちの今は?

 ちなみに、ここまで稼いだ賞金は各種手当を含めて約11億2926万円。調教師、厩務員、騎手などの進上金やクラブの手数料などを差し引いた会員の取り分は、一人当たりなんと約2000万円となっているのである。一口35万円のバゴ産駒に出資したら、4年で2000万円になったというのだ。驚き以上の言葉が見つからない。

 一方、クロノジェネシスとともに募集された、2016年生まれのサンデーレーシング募集馬91頭を見てみよう。91頭の中で重賞勝利実績のある活躍馬はわずか2頭だった。

グランアレグリア
募集額7000万円 獲得賞金9億189万円

ケイデンスコール
募集額2800万円 獲得賞金2億1952万円

 マイル女王グランアレグリアはクロノジェネシスと並ぶ歴史的名牝であり、すでに9億円以上を稼いでいるので文句なし。またケイデンスコールも募集額の8倍近い賞金を稼いでいるから立派だ。しかし同期でグランアレグリア以外の、8000万円以上の高額募集馬の成績を見てみると厳しい現実も窺える。

プランドラー
募集額1億5000万円 獲得賞金4820万円
⇒現2勝クラス

プライドランド
募集額1億円 獲得賞金7132万円
⇒現オープン

バイキングクラップ
募集額1億円 獲得賞金2160万円
⇒現2勝クラス

モアナアネラ
募集額8000万円 獲得賞金3453万円
⇒現3勝クラス

ライル
募集額8000万円 獲得賞金2771万円
⇒引退

ヴァイスカイザー
募集額8000万円 獲得賞金110万円
⇒売却し地方へ移籍(移籍後は11戦0勝)

 クロノジェネシスが秋に出走を予定する凱旋門賞の優勝賞金は2,857,000ユーロ(約3億8000万円)。もし勝利すれば日本競馬史に残る快挙であり、ノーザンファームとサンデーレーシングにとっても、2年連続2着だったオルフェーヴルの無念を晴らす悲願の勝利となる。

 クロノジェネシスがどこまで上り詰めるのか、その走りに期待したい。(文=仙谷コウタ)

<著者プロフィール>
初競馬は父親に連れていかれた大井競馬。学生時代から東京競馬場に通い、最初に的中させた重賞はセンゴクシルバーが勝ったダイヤモンドS(G3)。卒業後は出版社のアルバイトを経て競馬雑誌の編集、編集長も歴任。その後テレビやラジオの競馬番組制作にも携わり、多くの人脈を構築する。今はフリーで活動する傍ら、雑誌時代の分析力と人脈を活かし独自の視点でレースの分析を行っている。座右の銘は「万馬券以外は元返し」。

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