JRA歴代4位の好タイムで新馬戦快勝「イチネンエーグミ」オーナーが所有する「学級馬名軍団」に秘められた「ある法則」とは!?
3日、福島競馬場で行われたダート1150mの2歳新馬戦は、新種牡馬ポアゾンブラック産駒のイチネンエーグミ(牡2歳、栗東・茶木太樹厩舎)が好スタートを決めてハナを奪うと、最後まで後続を寄せ付けず2馬身差の完勝。同産駒はJRA初出走で見事に初勝利を飾った。
2歳夏の時点で既に馬体重538キロという、同じ新種牡馬でもポアゾンブラックよりキタサンブラックを彷彿とさせる馬体だったが、レースでは軽快なフットワークを披露。勝ちタイムの1分9秒5は、福島ダート1150mで行われた2歳新馬戦で歴代4位の好タイムだ。
乗っていた石川裕紀人騎手は、「スタートが良く、後ろから馬が来ると怖がると聞いていたので、その特性を生かしてハナへ。強い内容だったと思う。馬格もあって、これからが楽しみ」と上々の評価。今年開業して調教師生活“イチネン”目の茶木師は、これが通算の4勝目となった。
父のポアゾンブラックは現役時代に中央・地方合わせて33戦12勝。2014年に盛岡で行われた南部杯(G1)で2着はあるものの、重賞は未勝利。初年度産駒は12頭と決して多くないが、今回の好走をきっかけに人気が集まる可能性も十分に考えられるだろう。
ところで気になるのが、「イチネンエーグミ」というそのユニークな馬名ではないだろうか。馬主の藤本彰氏は本馬を含めて7頭の馬を所有し、全ての馬にイチネンサンクミやロクネンニクミといった学級名を名付けている。
一見、ランダムのように学年とクラスが振り分けられているようにも見えたが、どうやらある「法則」があったようだ。
藤本氏の所有馬にイチネンイチクミという馬がいる。馬名意味を調べると、「1年1組。馬主として1年目で、初めての持ち馬なので」となっており、同じく藤本氏所有のイチネンサンクミでは、「1年3組。3頭目の所有馬なので」となっている。
藤本氏が馬主○年目に所有した○頭目の馬かによって、馬名が決まっていたようである。
そして今年、藤本氏が所有する2歳馬はイチネンエーグミとニネンビーグミである。クラスが英語になったことからも、これまで在籍していた小学校から中学校へと「進学」したとみてまず間違いないだろう。
馬名意味はそれぞれ「1年A組。勝つという大きな夢を教えてくれたクラス」「2年B組。一番を先生とつかんだクラス」となっている。藤本氏がその学年時に在籍していたクラスに、そこで学んだこと・達成したことが馬名意味となっているようだ。
このことからも藤本氏の次の所有馬は、サンネンに英語クラスの馬名が濃厚であると言えそうだ。果たしてそのクラスで何を成し遂げたのか、または叶えたのか。大きな夢を教えてくれたというイチネンエーグミの今後の活躍にも期待だ。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
PICK UP
Ranking
11:30更新- 【日本ダービー】武豊「何とか間に合いました」キタサンブラック弟と挑む最多7勝目…乗り替わりでも不気味なエコロヴァルツの底力
- 【NHKマイルC】C.ルメール「一鞍入魂」アスコリピチェーノと必勝態勢!オークス、日本ダービーも騎乗馬決定か…シックスペンスとはコンビ解消
- 三浦皇成「これはモノが違う」悲願のG1初制覇が目前で霧散…「今後、ダート界を引っ張る馬になってほしい」宿敵レモンポップへ1年越しの挑戦状
- 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 帝王賞でウィルソンテソーロ降板も決定済み…気になる「鞍上交代」はやっぱりアノ人?
- 【天皇賞・春】「横山典弘マジック」に翻弄された敗戦の弁?大敗でも爪痕残した名手の存在感…テーオーロイヤル、ディープボンドの好走にヒント
- 藤田菜七子「日本ダービー騎乗」は幻に!? 武豊シュガークン×エコロヴァルツ「究極の二者択一」ダービー鞍上問題はスピード決着
- 【オークス】石川裕紀人が滑り込みでラストチャンスをゲット!?血統的に距離延長歓迎の穴候補に浮上…カワカミプリンセス、カレンブーケドールに続けるか
- 「うまく力を出せた」2年目女性騎手が2ヶ月ぶり白星! 「負担重量の注意義務」を怠り戒告処分も…翌日1Rで名誉挽回の好騎乗
- 「信じた俺がアホ」天皇賞・春(G1)大本命テーオーロイヤル優勝も「自信の1点勝負」は空振り…藤田伸二氏が前夜に感じ取っていたドゥレッツァの危険な前兆
- 【NHKマイルC】“アスコリピチェーノVSジャンタルマンタル”仁義なき社台グループの頂上決戦に決着をつける不気味な伏兵!
関連記事
JRA 社台ファーム生産の期待馬が藤田菜七子騎手でデビュー! 父は芝1800mの日本レコードホルダー
ニコ動『リアルダービースタリオン』出身馬がデビュー戦勝利! 繁殖牝馬購入から、種牡馬選び、種付け……ついに「みんなの馬」が走りだす!
JRA C.ルメールの「北海道愛」に陣営が忖度!? ブラックボイス福島から函館にデビュー変更、思わぬ強敵出現で最大の被害者は武豊?
JRA武豊「勝利数半減」でリーディング22位の大転落! 失地回復には大歓迎の函館で反撃開始、シャフリヤール近親アルナシームにソダシ、ゴールドシップ級の期待
ついに待望の「ストライク」をゲット!? 姉は米国「2歳女王」、セレクトセール2億円超の良血馬が、オーナー初預託の名門・友道厩舎からデビュー