プロキオンS(G3)衝撃レコードVを呼び込んだメイショウ軍団の“必勝戦略”とは? 9番人気の伏兵メイショウカズサ復活勝利は「ジェットストリームアタック」が炸裂!?
夏の小倉で11日に行われたダートの中距離重賞・プロキオンS(G3)は、松山弘平騎手のメイショウカズサ(牡4、栗東・安達昭夫厩舎)が優勝。7馬身差の逃げ切り勝ちを飾った昨年11月の栞S(3勝クラス)以来、4戦ぶりとなる勝利の美酒を味わった。
1年1か月前の夏。未勝利から怒涛の4連勝をマークした実力馬が完全復活だ。
低迷のはじまりは、単勝1.8倍の断然人気を裏切り15着に惨敗したカノープスS(OP)からだった。果敢にハナを切ったものの、後続からのプレッシャーもあったのか4コーナーを待たずにまさかの失速。続く名古屋大賞典(G3)では、3番人気に支持されるも中団からの競馬で見せ場すらない敗戦。ついに10番人気まで評価を落とした前走のアンタレスS(G3)でも15着では軽視されたのも仕方がなかったか。
その一方、京都競馬場の改修の影響により、例年の中京競馬場のダート1400mではなく、小倉競馬場のダート1700mに変更となった今年のプロキオンSは、実力馬復活のカンフル剤となったのではないか。
このレースに松本好雄オーナーのメイショウ軍団は3頭出し。5番人気メイショウワザシを筆頭に、9番人気メイショウカズサ、12番人気メイショウウズマサがスタンバイ。しかも、3頭いずれもが逃げ先行を得意の戦法としている馬であり、同オーナーの馬同士で共倒れになるリスクもあった。
しかし、結果的にこの3頭出しがものの見事にハマったのだから、まさしく松本オーナーの作戦勝ちといえる。
16頭立てのダート1700m戦。降り続く雨にダートは重馬場の状態まで悪化していたが、湿ったダートで足抜きはよくなり、前の馬が止まりにくい状況を後押ししたことも前に行く馬を後押しした。
迷いなくハナを奪ったのは8枠16番の大外からスタートしたメイショウカズサ。2番手にトップウイナーがつけて、3番手にメイショウワザシ。4番手サンライズホープを挟んでメイショウカズサは5番手からの追走となった。
前半1000mあたりでメイショウワザシが早々に脱落したほどの激流だが、先頭のメイショウウズマサと2番手トップウイナーはお互いに譲らないまま、最後の直線を迎える。懸命に粘りこみを図るメイショウウズマサを追い落とし、トップウイナーが単独先頭に躍り出た刹那、2頭の直後を追走していたメイショウカズサが一気に襲い掛かる。
メイショウカズサはゴール手前で抜け出して、2着に粘りこんだトップウイナーに2馬身半の差をつけて完勝。勝ち時計は1分40秒9という驚異のレコードだった。
PICK UP
Ranking
17:30更新- JRA元騎手・藤田伸二氏の「引退理由」を日本経済新聞が痛烈批判!?「木を見て森を見ない典型」と述べた騎手リーディングの本質とは
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 「ユタカァ、あけろー!」藤田伸二氏が明かした“恐喝”日本ダービー制覇の裏話…“怒り心頭”武豊から掛けられた恐怖の言葉とは
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 武豊が「告白」宝塚記念(G1)キタサンブラック大敗劇で「最大の敗因」とされるサトノクラウンの”荒技”の影響……凱旋門賞消滅への思いと「雪辱の秋」へ<2>
- 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 【東京大賞典(G1)展望】国内制圧へ、世界のフォーエバーヤング登場! 昨年1、2着ウシュバテソーロ&ウィルソンテソーロなど豪華メンバー集結
- 「4億超え」WIN5にまた怪現象?キャリーオーバー夢見るファンを絶望させた「謎の人物」とは
関連記事
JRA 武豊アスクワイルドモア、新人騎手の「神逃げ」に5馬身差完敗デビュー……明暗分かれたキズナ産駒。千葉サラブレッドセール高額2位の注目馬破れる
JRA「ツインターボ師匠」降臨に『みんなのKEIBA』大絶賛!? 七夕賞(G3)直前の「神サイン」当時の2着馬、実はトーラスジェミニ調教師が……
JRA 戸崎圭太「素質の高い馬」名牝スイープトウショウを母に持つクリーンスイープが待望2勝目!「連対率100%」遅れてきた大物が目指すは秋華賞(G1)の母仔制覇か
JRA【函館2歳S(G3)展望】馬体重“98kg差”の一騎打ち!? 「新種牡馬」シルバーステート産駒メリトクラシーVS「ラストクロップ」キングカメハメハ産駒ポメランチェ!
【ジャパンダートダービー(G1)展望】JRA武豊「申し訳ない」とはもう言わせない!? 牡馬勝りウェルドーンと16年ぶり制覇へ!日本ダービー(G1)“視野”で物議のリプレーザも参戦