GJ > 競馬ニュース > 「新潟千直事情」変化から探る今年の勝ち馬候補  > 2ページ目
NEW

JRAアイビスSD(G3)カノヤザクラ、カルストンライトオ、ベルカント。歴代千直マイスターと「新潟千直事情」の変化から探る、今年の勝ち馬候補

 ここで2014~2020年の韋駄天S優勝馬7頭のアイビスSD実績を見てみると、

2020年 ライオンボス → アイビスSD 2着
2019年 ライオンボス → アイビスSD 1着
2018年 ダイメイプリンセス → アイビスSD 1着
2017年 フィドゥーシア → アイビスSD 2着
2016年 プリンセスムーン → アイビスSD 3着
2015年 フレイムヘイロー → アイビスSD 9着
2014年 セイコーライコウ → アイビスSD 1着

 という成績で、なんと7戦3勝2着2回3着1回【3.2.1.1】という安定した結果を残しているのだ。唯一馬券圏外に敗退したフレイムヘイローは、韋駄天Sを15番人気と低評価での勝利だった。一方で、馬券圏内に好走した6頭はすべて2番人気以内での勝利だった。

 この傾向から判断すると、今年の韋駄天Sを勝利したタマモメイトウは14番人気での勝利。斤量も53kgから56kgに増えることも考えれば、よほど枠に恵まれない限り勝ち負けは厳しそうだ。

 前述したようにここ数年のアイビスSD事情は、オープン特別が増えたことで千直専門馬=千直マイスターが増えている。そして、過去4年の勝ち馬はすべて、アイビスSD前に新潟芝1000mで勝利した経験があった。

 過去10年にこのコースで勝利がないながらアイビスSDを勝利した馬は、3歳以降に重賞勝利かスプリンターズSで2着の実績がある。そしてこれまで3歳牡馬の勝利はないといデータもある。注目を集める3歳馬モントライゼは、残念ながらこれらの点で見劣ってしまう。

 やはり狙いは千直マイスターだ。中でも現役屈指の千直マイスターであるライオンボスに注目したい。

 同馬は新潟芝1000mの申し子と言っても過言ではなく、ここまで7戦4勝2着2回、内訳も重賞1勝、オープン特別2勝と他馬を圧倒する実績を残している。前走の韋駄天Sで敗退するまで1000m戦では6戦連続2着以内に好走し、2019年5月以降は10戦中7戦がこのコースと陣営も徹底している。

 しかもダートで勝利した2勝はともに1000mで、全6勝はすべて1000m戦なのだ。これほど1000mに特化したのはケイティラブ以上であり、歴代千直マイスターに君臨する存在といっていい。前走の韋駄天Sは悪化した馬場で58kgの斤量が響き、同じ牡馬ながら自身よりも4~5kg軽い軽量馬に有利な状況だったことも影響したようだ。

 今回は前回で5kg差があった勝ち馬タマモメイトウとの斤量差は1kgに縮まり、状態も上げている。絶好の舞台でどんな走りを見せるか注目したい。

(文=仙谷コウタ)

<著者プロフィール>
初競馬は父親に連れていかれた大井競馬。学生時代から東京競馬場に通い、最初に的中させた重賞はセンゴクシルバーが勝ったダイヤモンドS(G3)。卒業後は出版社のアルバイトを経て競馬雑誌の編集、編集長も歴任。その後テレビやラジオの競馬番組制作にも携わり、多くの人脈を構築する。今はフリーで活動する傍ら、雑誌時代の分析力と人脈を活かし独自の視点でレースの分析を行っている。座右の銘は「万馬券以外は元返し」。

JRAアイビスSD(G3)カノヤザクラ、カルストンライトオ、ベルカント。歴代千直マイスターと「新潟千直事情」の変化から探る、今年の勝ち馬候補のページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

11:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
  2. アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
  3. 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
  4. 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
  5. 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
  6. 宝塚記念(G1)団野大成「謎降板」に関西若手のエースが関係!? 武豊の不可解な登場と突然のフリー発表…関係者を激怒させた「素行不良」の舞台裏
  7. JRA音無秀孝調教師「北村友はクビだな」から9年。 10年目の数奇な巡り合わせ「あのレース名」で思い出される「信頼」は取り戻せるのか
  8. JRA川田将雅「北村友一斜行」に激怒か。「不利を受けたなんて言うのは10年早い」数々の伝説と「これでも丸くなった」説
  9. JRA武豊「繰り返された愚行」に安藤勝己氏も困惑……故・近藤利一さんを怒らせた敗戦から15年、またも追いかけたディープインパクトの幻想
  10. 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?