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「サクラバクシンオーVSヤマニンゼファー」がきっかけ!? 28年前の名勝負が繋いだ「縁と絆」、柴田善臣レパードS(G3)制覇で「岡部幸雄超え」の大記録

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「サクラバクシンオーVSヤマニンゼファー」がきっかけ!? 28年前の名勝負が繋いだ「縁と絆」、柴田善臣レパードS(G3)制覇で「岡部幸雄超え」の大記録の画像1

 8日、新潟競馬場で行われた3歳限定ダート重賞、レパードS(G3)は、1番人気のメイショウムラクモ(牡3歳、美浦・和田勇介厩舎)が重賞初挑戦で快勝。騎乗した柴田善臣騎手は、岡部幸雄元騎手が持つJRA最年長重賞勝利記録をついに更新した。

 岡部氏が保持していた従来の54歳0か月31日を塗り替えた柴田善騎手は、先月30日に55歳の誕生日を迎えたばかり。新たな記録は55歳0か月10日で、JRA史上初めて55歳で重賞を制した騎手となった。

 ただし本人曰く、その勝利は「あまり格好のいい乗り方ではなかった」という。『東京スポーツ』の取材に「1角で遅くなった時にかかっちゃって。4角では大事なところでステッキを落としたり……」と自身の騎乗を振り返った柴田善騎手。一方で、「馬は格好良かったですけど」、「これ(勝利)は関係者の100%の力です」と、メイショウムラクモ自身と陣営の努力に拍手を送った。

 そのメイショウムラクモを管理するのは18年3月に37歳で開業した和田勇調教師だ。今年41歳となったが、調教師としてはまだまだ無名の存在。19度目の重賞挑戦にして嬉しい初勝利となった。

 現役最年長55歳の柴田善騎手と“若手”の和田勇調教師。一回り以上も年が離れている2人だが、18年3月の厩舎開業以来、タッグを組む機会は多い。その数はレパードSで54回目。和田勇厩舎にとっては、大野拓弥騎手、横山典弘騎手に次いで3番目、柴田善騎手にとっては、4番目に多い騎乗依頼であり、良好な関係といってもいいだろう。

 一見、共通点がなさそうな2人だが、実は和田勇調教師が競馬の世界を志すきっかけになったレースにヒントが隠されているという。それが1993年のスプリンターズS(G1)だ。

 和田勇調教師は『中山馬主協会』のホームページ上に公開されている『キャプテン渡辺のウィナーズサークル』というインタビュー記事で、競馬の仕事に携わろうと思ったきっかけを聞かれ、次のように答えている。

「中学生のときにたまたま見た競馬中継がきっかけでした。ちょうどサクラバクシンオーとヤマニンゼファーの一騎打ちで盛り上がっていたレースで、そのレースをテレビで見て競馬に興味を持ちました。その後、おじいちゃんが競馬が好きだったこともあり競馬場にも連れて行ってもらったりして、将来競馬の仕事に関われたらなと思い始めました」(2017年8月25日公開)

 当時中学生だった和田少年が偶然テレビで目撃したのが18年前の電撃の6ハロン戦。2番人気サクラバクシンオーが1番人気ヤマニンゼファーを破ったレースだった。そのレースでヤマニンゼファーに騎乗していたのは、他でもない柴田善騎手だった。

 和田勇調教師は05年にJRA競馬学校厩務員課程に入学。田村康仁厩舎などで厩務員を務め、07年からは高橋裕厩舎で調教助手を経験した。もちろん、その間に柴田善騎手と93年のスプリンターズSの話をする機会もあっただろう。

 競馬界を志すきっかけとなったレースでヤマニンゼファーに騎乗していた柴田善騎手。28年後、55歳になった大ベテランは、和田勇調教師に重賞初勝利をプレゼントした。メイショウムラクモで結ばれた2人の浅からぬ縁は、今後どんなストーリーを描くのだろうか。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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