JRA福永祐一「ルメール&川田将雅」襲来で“記録”霧散……年始から34週継続も、浮き彫りになったノーザンファーム「3番手グループ」という現実
今年ここまで92勝を挙げ、リーディング3位につけるなど好調を維持している福永祐一騎手。昨年の自己ベスト134勝の更新も十分に視野に入る状況だが、その充実ぶりを表す1つとして、年始からずっと継続している“記録”があった。
それは一日一善ならぬ「一週一勝」というもの。
つまりは、毎週の競馬開催で「最低1勝」を挙げるという記録であり、年始の金杯開催から先週まで34週連続勝利を継続してきたのは、安定感が求められるトップジョッキーのステータスの1つと言えるだろう。
しかし、「継続してきた」と書かざるを得なかったのは、連続勝利が先週で途切れてしまったからである。先週も土日合計13鞍の騎乗があったが未勝利……。開幕から毎週着実に勝ち星を伸ばしてきた福永騎手だったが、ここで痛恨の足踏みをすることになってしまった。
「現在リーディング3位の福永騎手ですが、その上にいるのが2位の川田将雅騎手と1位のC.ルメール騎手。実は先週は、その2人が揃って新潟に参戦しました。
この夏は主に小倉で騎乗していた川田騎手と、暑さが苦手で滅多なことでは北海道から南下してこないルメール騎手の電撃参戦。ほかのライバル騎手たちにとっては“台風直撃”みたいなもので、その煽りを大きく受けた1人が福永騎手だったのかもしれません」(競馬記者)
実際に先週の福永騎手は1番人気の騎乗がゼロと、まるで絵に描いたように最有力馬たちを川田騎手とルメール騎手に持っていかれた印象がある。
前出の記者が「特にノーザンファームの有力馬が2人に流れましたね」と話す通り、生産者ランキング10年連続1位の絶対王者ノーザンファームの生産馬に福永騎手が騎乗したのは、土日合わせて13鞍でわずか2頭……。
一方の川田騎手はわずか6鞍の騎乗ながら3頭がノーザンファーム産。ルメール騎手に至っては11鞍中9頭という徹底ぶりだった。
「実は毎週最低1度は1番人気馬に騎乗することも、福永騎手が年始から継続していた記録でしたが、それも途絶えてしまいました。残念ですが、ノーザンファームの中では福永騎手とはいえルメール騎手、川田騎手に次ぐ3番手のグループの一角なのでしょうね。
ルメール騎手と川田騎手の2人が新潟に集結したのは、日曜日のメインに新潟2歳S(G3)があったからですが、きっちりとワンツーゴール。一方の福永騎手は4番人気のクレイドルに騎乗するも11着でブービー負けと、散々な週末でした」(同)
「返し馬でも、レースでも高脚を使ってスピードに乗れなかった。良い馬だけど、まだ成長段階ですね」
実はこのクレイドルが、先週の福永騎手に回ってきたノーザンファーム産馬2頭の内の1頭。福永騎手のコメント通り「良い馬」なのは間違いなさそうだが、重賞で戦うには少し早かったのかもしれない。
夏競馬の最終週となる今週末、福永騎手の“平穏”は戻ってくるのだろうか。ルメール騎手は札幌へ戻り、川田騎手はそのまま新潟記念(G3)に騎乗するなど今週も新潟が濃厚。一方の福永騎手は小倉2歳S(G3)に騎乗するため小倉へ向かうが、果たして。
(文=銀シャリ松岡)
<著者プロフィール>
天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。
PICK UP
Ranking
23:30更新- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- 武豊ドウデュースに「最強刺客」立ちはだかる…今年のジャパンCで「外国馬は消し」が危険すぎる理由
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
関連記事
JRA【小倉2歳S(G3)展望】福永祐一スリーパーダVS松山弘平ショウナンマッハの一騎打ち! 牝系の差が重賞舞台で明暗分ける!?
JRA 脅威の「勝率75%」スーパー川田将雅の条件とは!?C.ルメール、福永祐一を遥かに凌ぐドル箱条件にダノンスコーピオンと参戦
「24年目で初めて」池添謙一も驚いた真夏の“珍事”、「おそらくない」JRAも認めた札幌記念(G2)のレアケース! 武豊や福永祐一もこだわる手綱の重要な役割
JRA福永祐一に待ち受けていた「皮肉」な結果!? ゲート互角なら勝てたと悔やむも……、1番人気ジャンダルムに騎乗した男を襲った3つの誤算
JRA福永祐一&M.デムーロ台頭に危機感!? 「マイネル軍団」エースの座“防衛”“へ200万馬券演出「あの騎手」のハングリー精神に期待!!