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神戸新聞杯(G2)「勝って当たり前」に死角あり!? 過去10年ダービー馬の勝率100%も……王者シャフリヤールの「馬体重」に注目すべき理由

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神戸新聞杯(G2)「勝って当たり前」に死角あり!? 過去10年ダービー馬の勝率100%も……王者シャフリヤールの「馬体重」に注目すべき理由の画像1

 26日に中京競馬場で行われる神戸新聞杯(G2)。既に枠順も確定している今年の同重賞には、「過去10年でダービー馬が5勝」というデータがある。

 今から10年前の2011年日本ダービー(G1)を制したオルフェーヴルから、昨年のコントレイルまでのダービー馬10頭のうち、秋初戦に神戸新聞杯を選択したのは5頭。その全ての馬が勝利していることから、同重賞にダービー馬が出走したら勝率100%というわけだ。

 今回出走するシャフリヤール(牡3歳、栗東・藤原英昭厩舎)にとっては、“確勝級”といえるこのデータ。僅か4戦のキャリアで世代ナンバーワンに輝いた衝撃から、その「伸びしろ」がどこまであるのかという魅力も含めて、レース内容はもちろん、ひと夏を越えた同馬の成長具合にも当然ながら注目が集まる。

 管理する藤原英師の言葉を借りれば「(春からの成長について)中学生が高校生になった感じ」とのこと。夏を越えて迎える秋の始動戦は、やはり馬格の成長を見込んでプラス体重で出走するのでは……と考えるのが普通だろう。

 ところが、過去の神戸新聞杯で全勝している5頭のダービー馬の馬体重を調べると、必ずしもそうでもないことがわかる。

 前走ダービーからプラス体重で出走したのは、16キロ増のオルフェーヴルと10キロ増のワグネリアン。マイナス体重で登場したのはレイデオロとワンアンドオンリーで、共に4キロ減で出走。昨年の三冠馬コントレイルは唯一、プラスマイナス・ゼロで秋初戦に挑んでいるが、全5頭とも見事に神戸新聞杯を制した。

 こうしたバラつきがあるのは、もちろん馬格の違いもあるだろう。しかしプラス・マイナスを基準にして考えると、ダービーを制したほどの実力馬も、ひと夏を越えたとはいえ、必ずしも馬体重を増やして秋初戦を迎えるわけではないことがわかる。

 もしくはダービー馬の看板を背負っている以上、秋初戦は「勝って当たり前」の一戦になる……という重圧から、各調教師とも調整具合に頭を悩ませている証拠なのかもしれない。

 例えば前出のコントレイルを管理する矢作芳人調教師は、古馬になって挑んだ大阪杯(G1)では10キロ以上も体重が増えた同馬について、「昨年、あれだけ増えずに苦労した体重もようやく増えて……」と、当時の苦労を吐露したこともあった。

 馬体重といえば全5頭のうち、レイデオロは476キロ、ワンアンドオンリーは478キロで出走。ほか3頭は奇しくも同じ460キロで、神戸新聞杯のパドックに登場している。

 一方で、ダービー出走時のシャフリヤールの馬体重は444キロ。勝率100%を誇る前出の5頭が総じて460キロ以上の馬格をキープしていたことを考慮すると、ダービーの時点で20キロ近い体重差がある同馬にとっては、やや気になる点ではないだろうか。

 ともすれば、やはりプラス体重での出走になるのだろうか。仮にマイナス体重での出走なら、“確勝級”のデータを裏切る結果になるかもしれない。

 果たしてシャフリヤールの馬体重は、プラスかマイナスか。もしくはコントレイルと同じく増減なしで登場するのか。当日のパドックに登場する“王者”の姿を注意深く観察したい。

(文=鈴木TKO)

<著者プロフィール> 野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。

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