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JRA クリソベリル、ゴールドアリュールの「後継」確定か!? 調教師だけではない!関係者も期待する理由と苦い「後継選び失敗」の過去

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クリソベリル JBISサーチより

 13日、2019年の最優秀ダートホースに輝くなどダートG1・4勝を誇るクリソベリル(牡5歳、栗東・音無秀孝厩舎)が、重度の喘鳴症を患ったため現役を退くことが分かった。同馬を所有するキャロットクラブが同日、ホームページで発表した。

 今後は北海道の社台スタリオンステーション(以下社台SS)で種牡馬入りする予定となっている。音無師は、「早いうちに種牡馬入りしたい意向もあり、子供たちに期待したいです。ゴールドアリュールの後継種牡馬になってほしいです」と、早くも“種牡馬”クリソベリルに期待を寄せている。

「期待を寄せているのは、音無師だけでは無さそうですよ」と、話すのは競馬ライターだ。

「繋養先が社台SSなのは大きいですね。ロードカナロアやダイワメジャーなど、一流の種牡馬しか繋養されませんから関係者の期待の大きさが窺えます」(競馬ライター)

 社台SSは、社台グループに属する有限会社社台コーポレーションが管理する種牡馬を繋養する牧場だ。社台ファーム代表の吉田照哉氏とノーザンファーム代表の吉田勝己氏の2名が代表取締役を担っており、国内外から集めた選りすぐりの種牡馬を繋養している。

「社台SSへ繋養される多くは、芝で活躍した馬です。日本のダートで活躍した馬で現在繋養されているのは、ルヴァンスレーヴだけです」(同)

 ルヴァンスレーヴは、クリソベリルの前年度に最優秀ダートホースに輝いた生粋のダート馬だ。現役晩年は故障の影響で思うような結果は出なかったが、故障前の成績などが評価され、現在社台SSで過ごしている。

 昨今、日本のダート競馬もレベルが向上し、多数の活躍馬が出てきたが、社台SSはどの馬も繋養しないケースが目立った。一体、なぜクリソベリルを繋養しようと考えたのか。

「クリソベリルの父ゴールドアリュールは社台SSで繋養され、17年に死去するまで多数のダート活躍馬を輩出しました。後継種牡馬はエスポワールシチー、コパノリッキーと多数いましたが、どちらも社台SSでは繋養しませんでした。ゴールドドリームに至っては、ノーザンファームの生まれにも関わらず、レックススタッドで種牡馬入りしています。

そういった経緯があるなか、繋養することに決めたのは、クリソベリルがノーザンファームの生まれというだけでなく、その血統背景も期待できるからではないでしょうか」(同)

 クリソベリルは国内での圧倒的なパフォーマンスもさることながら、“超”がつく良血馬で有名だ。母クリソプレーズは06年ジャパンカップダート(G1)を制したアロンダイトの全姉にあたる。そして、クリソプレーズはクリソベリルの他に16年宝塚記念(G1)を制したマリアライト、16年コリアC(G1)優勝のクリソライトを産んだ優秀な繫殖牝馬として知られている。また、今年の菊花賞(G1)有力候補オーソクレースは、マリアライトの子どもである。

 社台の関係者は、恵まれた血統背景と戦績を併せもつクリソベリルなら、父のように多くのダート活躍馬を輩出してくれると思ったのだろう。

「社台SSは過去にスマートファルコンをゴールドアリュールの後継として繋養しましたが、目立った活躍馬を出せず失敗に終わりました。クリソベリルにはその分も、種牡馬として成功してほしいと思っているでしょう」(同)

 クリソベリルは果たして、自身の高い能力を子ども達に継いでいくことができるだろうか。初年度産駒がデビュー予定の2025年が楽しみだ。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

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