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JRAエリザベス女王杯(G1)武豊「40億円」が一瞬で紙クズに……先頭でゴールを駆け抜けたエアグルーヴ娘が悲運すぎる

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デゼル 競馬つらつらより

「G1に行っても恥ずかしくないポテンシャルを持っていると思います」

 14日に行われるエリザベス女王杯(G1)へ向け、陣営がそう期待するのはデゼル(牝4歳、栗東・友道康夫厩舎)が、仏オークス馬の母アヴニールセルタンを持つ世界的な良血馬であることも要因の1つだろう。

 前哨戦の府中牝馬S(G2)では、慣れない前からの競馬で16着に大敗。しかし、今年の阪神牝馬S(G2)では、後のヴィクトリアマイル(G1)3着馬マジックキャッスルを破って重賞初勝利。G1を勝てるポテンシャルはあるはずで、鞍上にレジェンド武豊騎手を迎えるなど、陣営の本気度に陰りはない。

 かつて2001年のトゥザヴィクトリーから04年のアドマイヤグルーヴまで、4連覇という前人未到の金字塔を打ち立てた武豊騎手。エリザベス女王杯にはいい思い出も多いに違いない。だが、その一方で苦い記憶もある。

「オークス馬の娘×武豊騎手」といえば、思い出されるのが2008年のポルトフィーノだ。

 デゼルの母が仏オークス馬なら、こちらは日本のオークス馬エアグルーヴを母に持つ良血。武豊騎手とのコンビでエリザベス女王杯を連覇したアドマイヤグルーヴの半妹にあたり、半弟には種牡馬として活躍するルーラーシップがいる。

 ただし、このポルトフィーノは生まれとは裏腹な「悲運の馬」といえるだろう。単勝1.3倍に応えたデビュー戦から武豊騎手が騎乗し、2連勝。3戦目で連勝が止まったものの、期待された桜花賞(G1)をハ行で取り消しになってから流れが大きく変わってしまった。

 続くオークス(G1)は祖母ダイナカール・母エアグルーヴに続く母娘3代制覇が懸かった一戦だった。ところが、中間に直前に右第1指骨剥離骨折を発症。全治3か月以上を要し、クラシック出走はまたも見送られた。

 ひと夏を越えて傷も癒えたポルトフィーノにとって、3度目の正直となったのが秋の秋華賞(G1)だ。状態も良く「今度こそ」という思いだったが、あろうことかフルゲート18頭の19番目という除外に……。

 昨年、同じく秋華賞を除外になったレイパパレが同日の条件戦を制して「幻の秋華賞馬」と不在を惜しまれたが、ポルトフィーノもまた鬱憤を晴らすかのように同日の条件戦を完勝している。

 そんな「悲運の馬」がようやくG1出走を叶えたのが、“4度目の正直”となった同年のエリザベス女王杯だった。

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 母エアグルーヴという日本屈指の良血、4戦3勝という底が知れない戦績に加え、鞍上にはエリザベス女王杯4勝の武豊騎手。前走でようやくオープン入りを果たしたばかりのポルトフィーノだったが、ファンは3番人気に支持した。

 エリザベス女王杯といえば、牝馬三冠をすべて1番人気ながら宿敵スティルインラブに敗れ続けた姉のアドマイヤグルーヴが悲願を果たした舞台。ポルトフィーノにとっても、ようやくその走りを全国の競馬ファンに披露する瞬間が巡ってきたはずだった。

 だが待っていたのは、またも不運だった。

 結末から述べると、ポルトフィーノはリトルアマポーラらライバルたちを従え、確かに先頭でゴールした。しかし、その鞍上に武豊騎手の姿はなかった。スタートして、わずか1秒も経たない内に「おっと、1頭落馬」という実況と共に、ポルトフィーノの初G1挑戦は終わってしまっていたのだ。

 ちなみに同馬に投じられた馬券は、約40億円だったという。女傑エアグルーヴの再来を期待して投じられたファンの夢は、一瞬にして紙クズと化した。なお、G1でカラ馬が1位入線するのは史上初だったそうだ。

 その後、約半年の休養から戻ったポルトフィーノだったが、これまでの走りが嘘のように惨敗を繰り返し、そのまま引退……。その悲運を最後まで乗り越えることができなかった。

 あの悲劇から13年。武豊騎手は4連覇となったアドマイヤグルーヴの勝利から、もう17年も勝利から遠ざかっている。先週のファンタジーS(G3)で3月以来の重賞制覇と調子を上げてきたことに加え、今年の重賞3勝はすべて牝馬限定戦。そろそろ一発があってもいい頃だ。

(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

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