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JRA C.ルメール「54万馬券」級ぶっ飛びの大波乱! 大本命スタニングスターにのしかかるフランケル牝馬の決定的弱点

JRA C.ルメール「54万馬券」級ぶっ飛びの大波乱! 大本命スタニングスターにのしかかるフランケル牝馬の決定的弱点の画像1

 14日、エリザベス女王杯(G1)を控える阪神競馬場で行われた5Rの2歳新馬(芝1600m)は、松若風馬騎手の9番人気カレンマックナイトが2番手から押し切りデビュー勝ち。

 2着に2番人気ハンス、3着に6番人気フィンスタビライザが入った大波乱の払戻は、馬単3万9830円、3連単54万3560円という高配当となった。

「非力なところがあって、どうかと思ったけど、芝でいい走りをしてくれました。もう少し力がついてくればもっと走れるようになる」 

 レース後、そう振り返った松若騎手はさらなる良化を感じるコメントを残した。カレンマックナイトは9番人気のノーマークだったとはいえ、血統的にも大阪杯(G1)やジャパンC(G1)を勝利したスワーヴリチャードの甥にあたる良血馬。次走でも注目の存在となりそうだ。

 これに対し、大波乱の立役者となってしまったのが、見せ場なく9着に敗れたスタニングスター(牝2、栗東・友道康夫厩舎)だ。C.ルメール騎手とのコンビで単勝オッズ2.1倍の大本命に支持されたものの、大きく期待を裏切った。

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「まだ若いし、緩さもあって最後は甘くなった。距離は延ばした方がいいね。これから良くなるはず」とはルメール騎手の敗戦の弁である。

 父フランケル×母スタセリタという血統は、2017年のオークス馬ソウルスターリングの全妹という超良血。陣営も「能力は間違いない」と自信を隠さなかっただけに、今後に不安を残すデビュー戦だった。

 14頭立てのレース。逃げ馬が前半3ハロン36秒9で先導したスローペース。スタニングスターも無難にスタートを決め、ルメール騎手も好位を取りに行く構えを見せた。ところが鞍上に促されても、道中でも6番手と反応は鈍かった。

 最後の直線を迎えても、ポジションを上げるどころか8番手に後退。ルメール騎手も懸命に促すも、他馬との脚色は見劣った。結果、勝ち馬から0秒8離されてのゴールと、ほろ苦い船出となった。

「関西の名門・友道厩舎の期待馬に姉の手綱も取っていたルメール騎手でデビュー。人気になって不思議ではない背景があった割に、残念なレースとなりました。距離が延びて良くなりそうというコメントが出ていましたが、正直かなり厳しい内容だったように感じます。

スタートしてからずっと押っつけながらの追走でしたし、直線に入っての反応も次走で一変を期待できるような脚ではありませんでした。日本でフランケル産駒の牝馬はどちらかというと早熟タイプが多い傾向ですから、次走で巻き返しとなるとどうでしょうか」(競馬記者)

 フランケル産駒は6歳になっても芝ダートの二刀流でG1勝ちしたモズアスコットのような例もあるが、こちらは牡馬。牝馬となると姉のソウルスターリングも5戦4勝でオークスを勝利して以降、約3年近く勝てないまま引退した。G1級と期待されたミスエルテやモンファボリなども、期待されたほど活躍できないまま3歳を迎えている。

 成長力に疑問が残る現状だけに、デビュー戦からいきなり大敗を喫したスタニングスターの巻き返しは、あまり期待できないのかもしれない。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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