JRA C.ルメール「大楽勝ムード」から“油断騎乗”で痛恨の2着!? 「普通に乗ってれば勝ってたんじゃ……」単勝1.8倍もコントレイル馬主にアピールならず
4日、阪神競馬場で行われた5Rの新馬戦(芝1800m)は、4番人気のラリュエル(牝2歳、栗東・矢作芳人厩舎)が勝利。ダノンプレミアムの弟ダノンジャッカル、7冠馬ジェンティルドンナの娘マリーナドンナなど、評判馬がそろった一戦を白星で飾った。
「逃げ馬の後ろでいい形で脚を溜められて、追ってからしっかり伸びてくれました。芝の走りのバランスも良かったですね」
レース後、鞍上の松山弘平騎手から、そう賞賛されたラリュエル。京都新聞杯(G2)勝ちなど中距離重賞の常連ステイフーリッシュの妹が、来年のクラシックへ向けて好発進を決めた。
その一方、痛恨の2着となったのが、単勝1.8倍という断トツの支持を集めたストロングウィル(牡2歳、栗東・橋口慎介厩舎)だ。
11頭立て、芝1800mで行われたレース。大外11番からの発馬となり、終始外々を回らされたストロングウィルだったが、最後の直線を迎えた際は楽勝ムードだった。
好位追走から、最後の直線の入り口で先頭集団に並びかける横綱相撲。鞍上のC.ルメール騎手のレース運びはほぼ完璧だった。持ったまま先頭に躍り出た際は、誰もが1番人気馬の勝利を予感したはずだ。
しかし、そこから激しく抵抗したのが、最内を走っていたラリュエルだ。
一度はストロングウィルに抜き去られたラリュエルだが、松山騎手のムチに応えるようにもう一伸び。再び先頭に並びかける。
すると、楽勝ムードが一転、慌てたのはストロングウィルのルメール騎手だ。慌ててムチを振るったものの、前に出たラリュエルも止まる気配がない。そのまま差が詰まることなく、最後は3/4馬身差をつけられて2着に敗れてしまった。
この結果に納得できなかったのは、大本命の勝利を信じていたファンだろう。
レース後、SNSやネット上の掲示板などでは「楽勝だと思ったのに、どういうこと?」「ルメール、油断しすぎだろ」「これ、普通に乗ってれば勝ってたんじゃ……」など、ルメール騎手の騎乗に対する疑問の声が続々……。中には「これは油断騎乗案件」「騎乗停止にすべき」など厳しい意見もあった。
「うーん、ルメール騎手にとっては痛恨の敗戦になってしまいましたね。最後の直線を迎えた際の手応えは抜群でしたし、あとは後続を突き放すだけと思ったんですが……。正直、ルメール騎手がもっと早く本気で追っていれば、という疑問は否めないところです。
ただ、ラリュエルの松山騎手が『枠も良かった』と話していた通り、今週からBコースに替わって今日が初日。内ラチ沿いの馬場がかなりいい状態で、1枠1番からのスタートだったラリュエルにとっては、大きなアドバンテージでした。松山騎手のコース選択もよかったですね。
ちなみにストロングウィルのオーナーは、コントレイルで有名な前田晋二さんで、ノーザン系の主戦ルメール騎手が『珍しくノースヒルズ系の馬に乗っている』と思ったんですが、残念ながらアピールは失敗に終わってしまいました」(競馬記者)
記者が「珍しい」と話した通り、ルメール騎手が今年、前田オーナーの所有馬に騎乗するのは、今回がわずか4回目。それもすべて1番人気で敗れている。ちなみにノースヒルズ生産馬でも未勝利である。
ルメール騎手といえば、アーモンドアイやオーソリティなど、ノーザンファーム系ホースクラブの所有馬でコントレイルと死闘を繰り広げてきたジョッキーの代表格だが、やはりノースヒルズ系とは相性がイマイチなのだろうか……。
(文=大村克之)
<著者プロフィール>
稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。
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