
JRA「このままでは終われない」救世主は武豊か、それとも…名門厩舎がまさかの重賞“ゼロ”勝で緊急事態!? 現役最長16年連続記録へ黄色信号
名門厩舎が窮地に追い込まれている。
時は遡り2006年12月、そこには朝日杯FS(G1)をドリームジャーニーで制し、開業3年目で初重賞制覇にして初G1制覇を挙げた当時37歳の若き調教師がいた。あれから15年、史上7頭目の3冠馬オルフェーヴルをはじめ数々の名馬を育て上げ、毎年重賞勝利を手にしてきたのが名伯楽・池江泰寿調教師だ。
しかし、そんな名門厩舎が今年は異例の苦戦を強いられている。
これまで数多くのタイトルや名誉を獲得してきた池江厩舎だが、気づけばここまで重賞勝利は“ゼロ”。最後の重賞勝利は、昨年12月に行われた中日新聞杯(G3)のボッケリーニまで遡る。今年のG1戦線においても、上位人気での参戦はスプリンターズS(G1)のジャンダルムのみと、役者の少なさが浮き彫りとなっている。
思い返せば、先週行われた京都2歳S(G3)は今年初の重賞制覇へ千載一遇のチャンスだった。鞍上には池江師と同級生で親交が深い武豊騎手を配し、1番人気の支持を得たトゥデイイズザデイは盤石の状態かと思われた。
しかし、悪い流れを断ち切ることは出来なかった。スタートで出遅れた上に、3コーナー過ぎの仕掛けどころで前の馬のアクシデントも重なり、結果6着。何とも後味の悪い敗戦となってしまった。
残すところあと1か月とチャンスも限られるなか、今週末行われるチャレンジC(G3)には、アルジャンナ(牡4、栗東・池江厩舎)とペルシアンナイト(牡7、栗東・池江厩舎)の2頭を送り込む。人気の中心はソーヴァリアントやジェラルディーナなど勢いのある3歳馬となりそうで、ここは古株の意地を見せたいところだ。
実は、池江厩舎は阪神芝2000mの重賞にめっぽう強く、2012年からの約10年間の成績は(8-2-4-12/26)で勝率30.8%、複勝率53.8%と破格の数字だ。事実、過去のチャレンジC においても2017年のサトノクロニクルで勝利、2018年のマウントゴールドで2着と好走例がある。得意な条件だけに、1発の期待がかかる。

今回武騎手が騎乗するアルジャンナは、先週引退したコントレイルと同じ現4歳世代で、デビュー当初から期待も大きく重賞でも好走を続けていた。日本ダービー(G1)では最下位と結果を残せなかったが、その後マイル路線に切り替え今年のマイラーズC(G2)では2着と好走。しかし近2走は鞍上にC.ルメール騎手を起用するも、期待を裏切る凡走が続いている。
今回は前走の富士S(G2)から一気に400mの距離延長となる。管理する池江師は「元々、中距離を走っていた馬。状態も悪くないですよ」と不安はなさそうだ。新馬戦以来の2000mという距離が、復調への起爆剤になる可能性はある。
一方で岩田望来騎手が騎乗するペルシアンナイトは、2017年のマイルCS(G1)の覇者で、芝2000mのG1でも2着が2回と実績十分の古豪だ。
前走の天皇賞・秋(G1)では、上がり3ハロン2位の33秒1を繰り出し7着とまだまだ衰えは感じない。池江師も「今は2000mの方がいい」と手ごたえを感じている。
同日の中山メイン・ステイヤーズS(G2)に出走するシルヴァーソニックも含め、今週は3頭での重賞挑戦となる池江厩舎。先週の雪辱も踏まえ、悪い流れに終止符を打つことが出来るか目が離せない状況だ。
今年も残すところあと9日間の開催で、JRAの競馬は終了となる。現役調教師としては最長記録となる16年連続重賞勝利を目の前に足踏みが続いている池江師だが、胸に秘める「このままでは終われない」という思いがきっとあるはずだ。
(文=ハイキック熊田)
<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?
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