JRA 阪神JF(G1)アカイトリノムスメを超える「最有力候補」がC.デムーロと新タッグ!「G1・100連敗」到達、あの実力派ジョッキーが無念の乗り替わりに……
先月21日に東京競馬場で行われた赤松賞(1勝クラス)を快勝したナミュール(牝2歳、栗東・高野友和厩舎)。次走、来週12日に阪神で開催される阪神JF(G1)では、C.デムーロ騎手と新たにコンビを結成することが分かった。
同馬は現在、新馬・特別戦と2連勝中。前走の赤松賞で記録した1分33秒8は、昨年の同レースを勝った秋華賞馬のアカイトリノムスメを0秒7上回る好タイム。またサークルオブライフが1分34秒0で勝った、10月のアルテミスS(G3)よりも速い勝ち時計だった。そのため、阪神JFでは最有力候補の1頭として目されている。
さらに近親には、先月ブリーダーズCディスタフ(米G1)制覇の快挙を達成したマルシュロレーヌがいる。いま最も勢いにのっている一族の1つといっていい。母サンブルエミューズは2012年の阪神JFで2番人気8着と期待を裏切ってしまったが、娘がその無念を晴らせるかにも注目したい。
一方、無念の乗り替わりとなってしまったのが、前走で同馬の手綱を執っていた三浦皇成騎手だ。
08年のデビュー以来、毎年コンスタントに勝ち星を積み重ね、すでに通算では900勝以上を挙げている同騎手。武豊騎手の新人最多勝利記録を更新し、一時は「ポスト武豊」とまでいわれたほどの実力派ジョッキーだが、これまでJRAのG1タイトルには不思議と縁がないことでも知られている。
先週末に行われたジャパンC(G1)では、一昨年のチャレンジC(G3)の勝ち馬であるロードマイウェイに騎乗して15着と敗退。この敗戦によって同騎手は、JRAでは痛恨の「G1・100連敗」に到達してしまった。
ちなみにJRAでG1を100連敗以上した騎手の例は、他にも田中勝春騎手の139連敗、和田竜二騎手の120連敗の2例がある。ただ、両ジョッキーは連敗が始まる以前に、G1の優勝経験があった。G1未勝利のまま100連敗に到達した騎手は、JRAでは三浦騎手が史上初となる。
同騎手はナミュールで勝利した赤松賞のレース後、「すべてにおいて優等生。直線の伸びは素晴らしかった」と話し、同馬の素質を大絶賛していた。継続騎乗が叶えばちょうど100連敗で区切りをつけられた可能性も高かったと思われるだけに、まさに痛恨の鞍上スイッチといえるかもしれない。
「前走の赤松賞は、初戦で手綱を執った川田将雅騎手が阪神でマイルCS(G1)に騎乗するため、三浦騎手は代打の意味合いが強かったと思われます。しかし、その川田騎手が今度は香港への遠征を予定しているため、阪神JFの週には再び不在となります。
三浦騎手には継続してナミュールに乗れる可能性もあったと思われただけに、やや残念な乗り替わりとなってしまいそうですね」(競馬誌ライター)
なお、ナミュールと新コンビを組むC.デムーロ騎手は、短期免許を取得して今月29日まで日本で騎乗することが先日発表された。
阪神JFの翌週に行われる朝日杯FS(G1)では、藤岡佑介騎手に替わりセリフォスと新タッグを組むことがすでに明かされている。この乗り替わりに関しては、池添謙一騎手が自身のTwitterに、「世知辛い時代に再突入」と投稿。日本人騎手から外国人騎手への乗り替わりを憂う内容だったこともあり、一部で話題を集めた。
ただ、同騎手は最後に「もっともっと上手くなろう。頑張ろう」と締めくくった。三浦騎手も今回の降板を糧に、今後奮闘してくれることに期待したいところだ。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
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