JRA 武豊「単勝万馬券」「最低人気」「大差シンガリ負け」の屈辱…からの巻き返し!? 近親に「無敗の三冠牝馬」持つ良血馬とデビュー戦V発進
4日、阪神競馬場で行われた6R・2歳新馬戦は、武豊騎手の3番人気スマートセプター(牡2歳、栗東・須貝尚介厩舎)が直線抜け出して勝利。外から迫るアタカンテの追撃を半馬身差凌いで、見事にデビュー白星を飾った。
「調教では幼いところがありましたが、レースでは真面目でした」
鞍上の武豊騎手がレース後にそう話した、10頭立てのダート1400m戦。コメント通り5枠5番から上手く好スタートを決めたスマートセプターは、内のタガノシリフケを行かせて好位2番手からの競馬。前半600m通過36秒2の流れを手応えよく追走しながら、最後の直線に入った。
ラスト1ハロンで逃げていたタガノシリフケを捕らえると、外からは福永祐一騎手の1番人気のアタカンテが追ってくるが、差を詰めさせない。さらに外からはクリーンジーニアスも迫ってきたが、最後まで後続との差を半馬身から1馬身ほどキープしたまま、危なげなく押し切った。
「調教や返し馬では物見をして若い面も見せていたようですが、ゲートが開いてからは優等生でしたね。好スタートを切って2番手追走から直線で抜け出す、馬名の通りスマートな競馬内容でした。脚色も最後までしっかりとしていたので、半馬身の着差以上に余裕のある勝利だったと思います」(競馬誌ライター)
勝ったスマートセプターは、近親に昨年無敗で牝馬三冠を達成したデアリングタクトがいる良血馬。父はシニスターミニスターのため、本馬は今後もダートが主戦場となりそうだ。勝ち時計の1分26秒7はそこまで目立ったものではないが、爆発力を秘めている血統だけに、今後も注目したい1頭だ。
ちなみに2着だったアタカンテは、昨年のかしわ記念(G1)を勝ったワイドファラオの半妹。2番人気に支持されていたレッドバンディエラは、重賞2勝を挙げているレッドアンシェルの半弟だ。
これらの馬を相手に完勝を収めたことも、スマートセプターの今後の評価に繋がるかもしれない。
なお武豊騎手はこの日、1つ前の5R新馬戦で、懇意にしているキーファーズの関連馬であるデールに騎乗。公式サイト『キーファーズサロン』のトレセンレポートには、「スピードがない」と記載されていたとはいえ、同騎手にしては珍しく単勝万馬券の最低人気。レースでも大差のシンガリ負けを喫していたが、次の6Rではしっかりと巻き返しを果たした。
「ダートの短いところなら今後も楽しみな馬です」
レース後、スマートセプターの将来性についてそう語った武豊騎手。
武豊騎手と冠名スマートのコンビといえば、まっさきにスマートファルコンが思い浮かぶかもしれない。2010~12年にかけてダート交流重賞9連勝を達成、ドバイワールドC(G1)にも挑戦した、近年の最強ダート馬候補の1頭だ。
スマートセプターは果たして今後、短距離界のスマートファルコンのような馬に成長することができるだろうか。長い目で見守っていきたい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
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