JRAソダシ「自爆スイッチ」発覚とあまりにも早過ぎた陣営の決断!? 「二刀流」成功した猛者たちとの決定的な違い

芝G1・2勝馬ソダシ(牝3、栗東・須貝尚介厩舎)の初ダート挑戦が話題を独占した先週のチャンピオンズC(G1)。スローペースで逃げられた展開も味方するはずだったが、直線では無抵抗のままズルズルと後退し、馬群に飲み込まれていった。
単勝1倍台の大本命を裏切って10着に大敗した秋華賞(G1)に続き、またしても二桁着順となる12着に敗れたことは、白毛のアイドルの深刻な現状を物語っているのかもしれない。
血統的にも父のクロフネは芝ダートのどちらもG1を制し、母のブチコも近親にダートで活躍した馬を多数輩出している母系。デビュー前にも、陣営がダート向きと評していたソダシの挑戦は、決して無謀ではなかったはずだ。
だが、元来がダート向きの血統である以前に、秋華賞で大きく崩れた原因のひとつに気性面の難しさが挙げられていたことは見逃せないだろう。前走では待避所で吉田隼人騎手の言うことをまったく聞こうとしないソダシの姿があった。
その教訓も生かして、今回は待避所に寄らない工夫を見せたとはいえ、それ以前の問題だった可能性すら考えられる敗戦のようにも映った。
こちらについては元JRA騎手の安藤勝己氏もTwitterにて、「ソダシはプランどおりの運びやったと思う。ダート適性云々やなくて馬がレースで走りたくないのかもしれない。秋華賞の負け方が悪かったのをそのまま引きずっとる感じ……」と振り返っている。
秋華賞にしてもチャンピオンズCにしても、ソダシが本来持っているポテンシャルを考えれば、レース展開やペースは決してそこまで大きな不利はなかっただろう。にもかかわらず、2戦続けて凡走を繰り返したことの方が深刻だ。
さらに心配なのは、ソダシ陣営の決断が「あまりにも早過ぎたのではないか」という懸念である。チャンピオンズC出走を表明した際、管理する須貝師は「今後を見据えて、選択肢が広がれば」とコメントしていたが、来年2月のフェブラリーS(G1)への出走も視野に入れているとも報じられている。
一定の見せ場を作れた中での発言であれば期待もできそうだが、12着に惨敗した結果を踏まえると、精神面の課題を改善する方が優先すべきではないかという懸念が残る。
「芝で調子を落としていた馬が、ダートへ替わることが刺激となって好走するケースは確かにあります。ソダシにとっても同様の期待はありましたが、この結果を見るとあまり効果はなかったようにも感じます。
となると事態は我々の想像以上に深刻と思われるだけに、2月のフェブラリーSは時期尚早かもしれません。レースに気持ちが向いていないことが関係している可能性もあるため、できればもう少し間隔を開けて欲しかったというのが本音です」(競馬記者)
実際、芝ダートの二刀流でG1を制した過去の先輩たちは、G1への挑戦前にしっかりとダート適性を確認した上での出走だったことも見逃せない。ホクトベガ、イーグルカフェ、クロフネ、アグネスデジタル、アドマイヤドン、モズアスコットの6頭が達成した偉業の裏には、それまでにダート適性に全く問題のない走りを披露していた。
まだ適性がないと決めつけられないソダシとはいえ、初挑戦で惨敗したならダートで連戦することは歓迎といえないだろう。
目に見えない「自爆スイッチ」の入った白毛のアイドルに必要なのは、短期間で戦場へと戻ることなのか、それとも長期に渡るリフレッシュ休養なのか。ダート馬と考えられていた馬が、阪神JF(G1)や桜花賞(G1)を優勝しただけでも、既に実績としては十分過ぎるともいえる。
このまま枯れてしまうのか、それとも不死鳥の如く蘇るのか。陣営がどのような決断を下すかに注目したい。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。
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