
JRA阪神JF(G1)怖い2頭出しの人気薄!狙い目は「単勝万馬券」想定の超大穴、千代田牧場が誇る名牝系出身の1戦1勝馬!
12日、阪神競馬場では2歳女王を決める阪神JF(G1)が開催される。過去5年で3着以内に入った15頭はすべて6番人気以内という堅い決着が続くこのレース。今年も平穏決着となるのか、それとも荒れる要素はあるのだろうか。
今年、上位人気が予想されるのは、ウォーターナビレラ、ステルナティーア、ナミュール、サークルオブライフ、そしてベルクレスタの5頭。事前の予想オッズでは、この5頭が3~5倍台でひしめき合う混戦模様となっている。続く6番人気に予想されているナムラクレアが20倍以上の想定なので、今年の阪神JFは「5強対決」と呼んで差し支えないだろう。
一見、この5頭で決まる可能性は高そうだが、そんな時こそ波乱に期待したくなるのが穴党の性。高配当狙いで目を付けたのは、10分の7の抽選を突破した1戦1勝馬のシークルーズ(牝2歳、栗東・杉山晴紀厩舎)だ。
デビューは11月の東京芝1600m戦。出走15頭中唯一の関西馬として6番人気に甘んじたが、好発を決め府中の長い直線を2番手から早めに抜け出し、1馬身差の勝利を飾った。

レース後、騎乗した三浦皇成騎手は「返し馬の段階から、乗り手に対してとても従順な馬だと感じました。ゲートを出てからの反応や道中のおさまり、追い出してからの反応など全て優等生でした」とべた褒め。一方で「展開的にもスローの2番手で、揉まれないところで楽な競馬でしたからね。これから揉まれた時にどれだけやれるかは課題です」と課題をあげた上で、「初戦をきっちり勝ち切ってくれたのは能力の高さだと思います」とコメントを残していた。
初戦の勝ち時計が1分36秒7と平凡だったこともあり、当日のオッズでは単勝万馬券となってもおかしくない大穴中の大穴。そんなシークルーズだが、実は血統的には非常に魅力に溢れた1頭である。
母はクロフネ産駒として、早くから活躍したベストクルーズ。2歳秋に3戦目で勝ち上がると、続くファンタジーS(G3)を2着、そして阪神JFでは6番人気でアパパネの3着と好走した。キャリア5戦で同舞台に臨んだ母に比べると経験は浅いが、母が穴をあけた舞台で後押しがあってもおかしくない。
シークルーズの牝系をさらにたどっていくと、3代母には千代田牧場の至宝チヨダマサコ、11代母には日本の三大基礎牝馬の一頭、ビユーチフルドリーマーの名前がある。この一族の代表格は天皇賞・秋などG1を3勝したニッポーテイオーだが、他の活躍馬には牝馬も目立つ。
直近でG1を制したのは12年ヴィクトリアマイル(G1)覇者のホエールキャプチャだろう。2歳時には阪神JFでも2着し、翌年の牝馬3冠はすべて馬券に絡むなど、世代牝馬屈指の実力を誇った。他には阪神3歳牝馬S(当時)、桜花賞(G1)、秋華賞(G1)を制したテイエムオーシャンもこの一族出身である。
注目度では、もう1頭の千代田牧場生産馬でアルテミスS(G3)を勝ったサークルオブライフに譲るが、「2頭出しの人気薄を狙え」という競馬の格言に照らせば、シークルーズも好走の可能性を十分秘めている。
ちなみにサークルオブライフのオーナーは千代田牧場の代表を務める飯田正剛氏、シークルーズのオーナーは妻の良枝氏だ。同じ5枠に収まり、黄色い勝負服、黄色い帽子で仲良く好走を果たせるか。今年の阪神JFは千代田牧場の2頭、特に人気薄シークルーズに注目したい。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。
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