JRA「武豊×アドマイヤビルゴ」4戦全勝から1年、地に落ちた「6億円」の看板。1番人気10着で無念の2021終戦……有馬記念ファン投票100位は笑えない

11日、中京競馬場で行われた中日新聞杯(G3)は、8番人気のショウナンバルディ(牡5歳、栗東・松下武士厩舎)が逃げ切って重賞初制覇。2着に17番人気のアフリカンゴールド、3着に10番人気のシゲルピンクダイヤが入線し、三連単は236万8380円の大波乱となった。
また、鞍上の岩田康誠騎手はこれがJRA重賞100勝目のメモリアル。まんまと逃げきったゴール直後は、岩田康騎手らしい派手なガッツポーズも飛び出した。
その一方、またも重賞の壁に跳ね返され、大波乱決着の立役者となってしまったのが、1番人気で10着に大敗したアドマイヤビルゴ(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)と武豊騎手だ。
「道中、ずっと右にもたれて、いいリズムで運べませんでした」
レース後、主戦の武豊騎手がそう敗因を挙げたように、左回りに課題が残っているようだ。ムーンライトH(3勝クラス)勝ちや、ケフェウスS(OP)2着の実績はあるものの、日経新春杯(G2)やエプソムC(G3)で惨敗しているように戦績が安定しない。今後の指針に影響が出そうな敗戦といえるだろう。
2017年のセレクトセールにおいて歴代2位となる6億2640万円(税込み)で取引されたことで、デビュー当初から大きな注目を集めたアドマイヤビルゴ。しかし、期待された2021年は試練の一年となってしまった。
昨年の今頃、アドマイヤビルゴは間違いなく将来を嘱望された若駒の1頭だった。当時ここまで5戦4勝。唯一、敗れた京都新聞杯(G2)は武豊騎手が騎乗しておらず、アンドロメダS(L)勝ちを含め「武豊×アドマイヤビルゴ」のコンビは4戦全勝だったからだ。
当時のファンの期待値を示す指標として、昨年と今年の有馬記念(G1)のファン投票の結果は象徴的な1つといえるだろう。
昨年のアドマイヤビルゴは、まだ重賞実績こそなかったものの次代を担う存在として49位にランクイン。同世代のコントレイルやデアリングタクトの影に隠れていたとはいえ、並みいる重賞勝ち馬の中で5000を超える票を獲得したのは、異例の人気ぶりだったといえる。
だがその後「6億円ホース」への期待は、まるで坂道を転がり落ちるように失墜した。
重賞初制覇が期待された日経新春杯で、1番人気に支持されながらも10着に大敗すると、岩田望来騎手に乗り替わった大阪杯(G1)、エプソムCでも良いところなく連敗……。
再び、武豊騎手を迎えて仕切り直しとなった今秋、ケフェウスS、カシオペアS(L)を2着、3着と復調を見せたものの、今回の中日新聞杯でまたも重賞の厚い壁に阻まれた格好だ。
そんなアドマイヤビルゴの今年の有馬記念ファン投票の結果は、なんと100位ジャスト。JRAの公式ホームページで公開されたベスト100の最下段に、1329票しか集めることができなかった本馬の名がポツリと記載されていた。
今回で獲得賞金が約1億円となったが、そんなことで喜べないのが本馬の辛いところだ。「セレクトセールの高額馬は何故か走らない」――。アドマイヤビルゴには、来年こそそんなジンクスを吹き飛ばす活躍を期待したい。
(文=銀シャリ松岡)
<著者プロフィール>
天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。
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